BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

本当はわかりやすい特撮ソング

 特撮ソングに求められる要素の一つとして、「わかりやすさ」が挙げられます。特撮番組がビジュアル的にもドラマ的にも十分大人の鑑賞に堪えうるものであっても、そのメインターゲットが子どもである以上、番組を彩る歌の数々もまた、わかりやすいものでなくてはなりません。主題歌ならばヒーローのかっこよさや強さ、優しさ、時には孤独や悲しみを。ヒロインのテーマならば可愛らしさを。悪の組織のテーマなら恐ろしさやおどろおどろしさを。それぞれの歌が掲げるべきテーマを、ストレートな言葉でストレートに歌う。これこそが、特撮ソングの肝と言えるでしょう。

 その意味において、究極ともいえる境地にまで達した曲。それが、「仮面ライダーアマゾン」の挿入歌、「その名はアマゾン」です。


タンタタ タタタン タンタタ タタタン その名はアマゾン
日本で生まれた 男の子だが
南米奥地で孤児となり
野獣と共に大きくなった
ジャングルの野生児 アマゾンライダー

タンタタ タタタン タンタタ タタタン その名はアマゾン
インカの守護者 バゴーによって
宝の腕輪を託された
人の言葉も 分からない
改造人間 アマゾンライダー

タンタタ タタタン タンタタ タタタン その名はアマゾン
バゴーの暗示で日本へ来たが
なぜだかゲドンに襲われて
なぜだか十面鬼に狙われている
戦え 孤独な アマゾンライダー

 わかりやすい!!

 驚愕すべきわかりやすさです。仮面ライダーアマゾンを知らない人でも、この歌さえ聞けば彼がどんなヒーローなのかたちどころに理解できることでしょう。しかも、これだけ説明的な内容の歌詞にも関わらず、菊池俊輔氏のテンポのよいメロディと子門真人氏の歌唱力によって全く説明臭さを感じさせず、ヒーローソングとしてしっかりと成立していることに驚きます。あらゆる特撮ソングが目指すべきわかりやすさの頂点として、この歌は記憶されるべきでしょう。仮面ライダーアマゾンの主題歌や挿入歌は他にも特徴的でかっこいいものが揃っていますので、おすすめです。