BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

狭いけど魅力的な怪獣迎撃シミュレーションの世界②「ウルトラ警備隊 モンスターアタック」

 極めて狭いジャンルのシミュレーションゲーム、怪獣迎撃シミュレーションの紹介。今回取り上げるのは、2004年にゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売された「ウルトラ警備隊 モンスターアタック」です。

ウルトラ警備隊 モンスターアタック

ウルトラ警備隊 モンスターアタック

 昨日紹介した「ゴジラ 列島震撼」はゴジラシリーズに登場する怪獣たちを撃退するゲームでしたが、このゲームはウルトラシリーズに登場する怪獣や宇宙人を撃退する怪獣迎撃シミュレーションです。タイトルこそウルトラ警備隊ですが、実際には「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」の3作品の代表的なエピソードを追体験していくようなかたちで進んでいきます。

 プレイヤーは科学特捜隊、ウルトラ警備隊、MATの隊員や兵器を動かしながら怪獣と戦っていきます。システムはオーソドックスなターン制。ユニットの動かし方や攻撃方法、兵器の改造などは、基本的にスパロボと同じと考えて差し支えないでしょう。ただし、「ゴジラ 列島震撼」と同じく怪獣が動き回ることによって都市が破壊され、被害が大きくなると防衛チームに対する支持率が下がり、その結果予算が少なくなり改造に回せる資金が少なくなってしまうため、ここでもいかに被害を最小限に抑えながら怪獣を倒すかがポイントとなってきます。

 そしてもちろん、ウルトラマンたちも登場します。このゲームのポイントは、ウルトラマンは自由に動かすことのできるユニットではないところ。ただし、ターゲットを指定する、防衛対象となる建物を指定して守ってもらう、指定したポイントに移動してもらう、という3種類の指示を出せるため、それほど不自由を感じることはありません。しかし、ウルトラマンも怪獣同様に動けば都市に被害が出るので、場合によっては邪魔になることも。また、ウルトラマンが怪獣を倒しても防衛チームの手柄にはならないので、ウルトラマンが怪獣を弱らせたところで防衛チームにトドメを刺させる、ということを心がけることによって、支持率と資金を増やすことができます。兵器の改造を積み重ねれば、ウルトラマンに頼らずに防衛チームだけで怪獣を撃退することも可能になります。

 さて、怪獣迎撃シミュレーションを2作品紹介させていただきましたが、残念ながらここで打ち止め。それほどまでに作品数が乏しいのが、この怪獣迎撃シミュレーションというジャンルなのです。ウォーシミュレーションの特異な形態として、実に面白いジャンルだと思うのですが・・・。今後、新たなる傑作がこのジャンルから誕生することを願うばかりです。