BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週の仮面ライダーウィザード

 凜子を除くいつものメンバーが面影堂でたむろしていると、どこからか白いガルーダが入り込んできた。捕まえようとみんなで大騒ぎするものの、結局ガルーダは小箱を置いて出て行ってしまう(出ていくときちゃんとドアを閉めていくところがかわいいです)。小箱の中には新しい魔法石が・・・。

 白いガルーダの主は、まぁおおよそ見当が付きますね。晴人もそれは同じなようですが、それについて思案する彼のもとに、ガルーダから敵発見の報告が。晴人はグールに襲われていた少年・洋樹を助けますが、彼の母親・美紀子は少年時代の晴人が世話になったナースでした。

 幼いころに両親を交通事故で亡くした、というのは正義のヒーローの肉親絡みの過去としては手垢がついているといってもいいほど定番中の定番のものですが、今際の際の両親から「お前が生きていることが自分たちの希望だ」と告げられたことが、ファントムになりかけても絶望せず、魔法使いとして誰かの希望となって戦い続ける晴人の原点となったというのは説得力がありましたね。

 一方、メデューサがグールを使ってゲートを絶望させることに失敗したと聞き、俺にやらせろとメデューサに詰め寄るフェニックス。今まで監視役に甘んじていたのは、やりすぎてゲートを殺しかねなかったため。さもありなん。今日のゴーバスターズの葉月博士とは違った意味で、組織の中では扱いにくい奴ですね。フェニックスは出撃許可をもらいに、首領であるワイズマンのもとに直談判に向かうことに。ベール越しのシルエットとはいえようやく画面に登場したワイズマンの声を演じるのはピッコロ、あたる、カイなど代表的なキャラには枚挙にいとまがないベテラン声優・古川登志雄氏。特撮ではデカレンジャーのナレーション以来の出演でしょうか。ワイズマンはフェニックスに出撃許可のみならず、ゲートを絶望させるための策をも与え・・・。

 洋樹を守るため彼の家に泊まり込みでの警護を提案する晴人たちですが、なぜか洋樹が頑としてそれを拒んだため、仕方なく面影堂で預かることに。昼間は瞬平と遊びながら明るい表情を見せていた洋樹ですが、夜になるとベッドの中で泣き出した彼に、何を意地を張っていると尋ねる晴人。洋樹の反抗の原因は、父親が誕生日プレゼントに頼んだのと違うおもちゃを買ってきたこと。子どもにとってはそれこそファントムになってしまうぐらい絶望的なことですね、これは。親は絶対にやってはいけません。少なくとも子供がプレゼントに欲しがってるものは、取引先に見せる大事なプレゼン資料の中身ぐらい何度も確認しないといけないでしょう。とはいえ、洋樹が怒っているのはプレゼントを間違ったことではなく、仕事にかまけて自分の言うことをろくに聞いていない父親と、そんな父をかばってばかりの母親でした。そんな彼に、ケータイに何通も届いた美紀子からの洋樹を心配するメールを見せ、子どものことをどうでもいいなんて思う親はいないと諭す晴人。奇しくもゴーバスターズも親の心を子に諭す話でしたが、ケータイのメールというかたちで親の情を示して見せるのが、技術論的な根拠で諭したゴーバスターズとはよい対照でした。

 翌日、改めて洋樹の家で警護を続けようとする晴人たちでしたが、その目の前でフェニックスによって美紀子が重傷を負わされてしまいます。ゲートを絶望させるため、ゲート本人のみならず外堀から攻めるかたちでその周囲の人間を襲う手もあり、というのがファントムの始末の悪いところですね。怒りに燃える晴人がウィザードに変身して立ち向かいますが、さすが相手は幹部怪人。フレイムスタイルを上回る炎の力を見せつけ、ならばとウォータースタイルで攻撃してもものともせず、ランドスタイルの防御を突き崩す圧倒的な強さを見せつけます。しかし、本当に息の根を止めたかったら川に投げ込んだりしちゃいけませんよ、フェニックスさん。それ、生存フラグです。