BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

小説 仮面ライダーファイズ

 昨日のアギトに続き、小説ファイズの感想を。

 昨日も書いた通りファイズを後回しにしたのは、読むのに覚悟がいるからです。なぜ覚悟がいるかと言えば、ファイズの小説としては過去にメインライターの井上敏樹氏が執筆した「異形の花々」があり、これがまぁトラウマものの内容だったからです。当時TVで放送されていた内容も今から見ると日曜の朝にやっていたとは思えないようなものでしたが、ただでさえドロドロしたファイズを、井上氏自らが子供が見ることとかおもちゃ屋の事情とかそういった配慮を一切合財取っ払って本気を出して書きたいものを書いてしまったというべき代物で、内容のダークさたるや、牙狼も裸足で逃げ出すレベルでした。

仮面ライダーファイズ正伝-異形の花々- (Magazine Novels Special)

仮面ライダーファイズ正伝-異形の花々- (Magazine Novels Special)

 そういう前例があっただけに、今回の小説に関しても読むのに覚悟が必要だったわけです。というわけで、覚悟完了したうえで最初のページを開いたわけですが・・・

園田真理は雪が嫌いだった。

 ・・・あれ? なんだ、この冒頭の一文の既視感は? そしてこのものすごく嫌な予感は? そのまま私はページを奥付へと飛ばし、そこに書いてあった一文に、その嫌な予感が的中したことを悟ったのでした。

この作品は2004年8月、小社より刊行された仮面ライダーファイズ正伝-異形の花々-に『5年後』を追補したものです。

私の覚悟完了はなんのためのものだったんだ!と叫びたくなりました。いや、実際は発売前からもしかして・・・とは思っていたのですが。前に何かのインタビューで井上氏が「ファイズに関してはやり尽くした」というようなことを言っているのを見た記憶があるので、これ以上何を書くのかな・・・とも思っていたのですが。

 というわけで、この小説に関しては奥付の一文の通りとしか言いようがありません。追加された「5年後」については、文字通り「異形の花々」のエピローグから5年後の話なのですが、読んでみた感想は、あえて付け加える必要あるかなぁ・・・という感じでした。決して蛇足ではないのですが。とりあえず、「異形の花々」をまだ読んだことのない人には、値段も安いですし読んでみるいい機会だとは思います。その際は、覚悟を決めてから読んでください。

 そういえば、この間のウィザードのこの文庫シリーズのCMも流れていましたね。まさか子どもが読むことはないとは思いませんけど、ほとんどR18なこの小説のCM流していいんだろうか・・・。