BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル感想

 本日から公開のウルトラマンギンガ劇場スペシャルを見てまいりました。ネタバレを含む感想になりますので、これからご鑑賞に行く方はご注意を。

 ギンガ本編だけでは尺が足りないのか、本編が始まる前に今月から稼働が開始する「大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア」のフルCCムービーが流れました。謎の鉱石「プラズマソウル」を回収するため、プラズマソウルを吸収した超巨大怪獣と戦う宇宙人のハンターたち。主人公である3人のハンターの今回の相手は、なんと恐竜戦車。のっけから渋いカードですが、フルCGでよりパワーと迫力を増した恐竜戦車の攻撃と、個性がはっきりとしているハンターたちの戦いはなかなか見ごたえがありました。

 さて、映画本編。特にひねりもない「劇場スペシャル」という看板はまさにそのとおりで、登場するウルトラマンや怪獣がいつもより豪華になったというだけで基本的なノリはTVと変わりありません。冒頭でバルキー星人がこのあいだの総集編のようにこれまでの流れを丁寧に説明してくれるので、今までを見ていなかった人にも優しい設計。ただ、「ダークスパークには命あるものを人形に変える力がある」というのは初めて知りました。ジャンナインが機能を停止しても人形にならないのは、彼が生物ではなくロボットだからなのでしょうか。ということは、キングジョーやインぺライザーのようなロボットたちも、まだ元の姿でいるということか・・・。

 さて、バルキー星人がギンガに倒されて人形に戻ってしまったので、闇の支配者は新たなエージェントとすべく再び宇宙人の人形をダークライブ。それに選ばれたのが・・・大きな耳とつぶらな瞳、そしてもじゃもじゃのひげが妙に愛嬌のあるイカルス星人。しかも「いかにも」「いかん」などやたらと「いか」のつく言葉を使いたがるどっかのイカ娘みたいなキャラまでついている始末。バルキー星人といいこいつといい、闇の支配者はどうしてこんな微妙な宇宙人ばかりエージェントにしたがるのか。メフィラス星人とかガッツ星人とかもっと頭がよくて強そうな奴を使えばいいじゃないか・・・と思ったのですが、今回のイカルス星人の起用には、ちゃんと意味があったのです。

 ある夜、学校の裏山に異変を感じたヒカル。その原因である山に散らばった怪獣人形を回収するため、翌朝美鈴たちを誘って探索に向かうことに。背景となっている出来事はものすごく壮大なのに、まるでハイキングのようなゆるい雰囲気は相変わらず。人形探索は順調に進み、途中イカルス星人と接触するものの、独自に調査に来ていた友也の加勢もあって危機を脱出。イカルス星人は美鈴に化けてヒカルから怪獣人形を奪おうとしますが、「いか」のつく言葉を使いたがるキャラと両手をわきわきさせる妙なアクションは相変わらず、さらに驚くと大きな耳とひげが露出するというキツネやタヌキ以上にひどいボロの出し方をするためにあえなく失敗。

 結局本物の美鈴を人質にとって、なんとか怪獣人形を奪うことに成功するイカルス星人。その怪獣人形というのが、レッドキングベムスター、シーゴラス、ハンザギラン、キングクラブ、バラバというなんとも微妙なラインナップ。ですが、イカルス星人はこれらの怪獣に自分を加えて合体させ、暴君怪獣タイラントとしてダークライブ! タイラントウルトラマンに倒された上記の怪獣たちの怨念が合体して誕生した強敵怪獣として有名ですが、こいつの耳がイカルス星人のものだったことをこのときまで私は忘れてしました。闇の支配者が今回のエージェントにイカルス星人を選んだのにはちゃんと理由があったわけです。いや、最近の出演作品でこそこの耳から光線を発射したりしていますけど、最初にタロウに登場した時この耳は全く有効活用されていなかったので、タイラントイカルス星人が混ざっていることをすっかり忘れていました・・・。

 出現したタイラントに対し、ヒカルはこのあいだ回収したウルトラマンティガに変身。流れるティガのBGMが懐かしかったです。必殺技のゼぺリオン光線をタイラントに放つティガですが、タイラントは腹のベムスターの口でこれを吸収、一気にピンチに陥るティガ。タロウは昔こいつを倒したことがあるんですから、ちゃんとアドバイスしてあげればいいのに・・・。そんなティガのピンチに駆け付け、タッグを組んで戦う友也のジャンナイン。さしものタイラントもこのコンビの前には倒れますが、倒し方がタロウがタイラントを倒した時の方法とほとんど同じだったのにはにやりとしてしまいましたね。

 タイラントを倒され、元に戻ったイカルス星人を縛り上げて闇の支配者について訊きだそうとするヒカル達。ジャンナインによる威嚇射撃という過激な脅しもあり白状しかけるイカルス星人でしたが、そうは問屋がおろさず、すかさず消されてしまうことに。さらにその場に姿を現したのは、ウルトラマンノアと対を為す悪の化身、ダークザギ。圧倒的なスピードと獣じみた狂気あふれる攻撃であっというまにジャンナインを機能停止に追い込むダークザギ。それを目の当たりにしたヒカルはギンガに変身し、ダークザギと激突。地球をまたにかけた戦いの果てに、ダークザギを撃破するのでした・・・カラータイマー点滅前に。恐るべし、ギンガ。

 後半ストーリーは11月からスタートということが最後に明らかに。続きが気になります。