BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週のウルトラマン列伝

 セブンの弟子にしてゼロの師匠、傷だらけの孤高の赤獅子、ウルトラマンレオ特集!・・・だったのですが、選ばれたエピソードがなんだか微妙。初戦のギラス兄弟戦はともかくとして、レオヌンチャクを使ったケットル星人戦もなければ、みんなのトラウマ・シルバーブルーメ戦もなし。

 初戦からいきなりダンに無茶な特訓をさせられるゲン。しかしこれはまだまだほんの序の口で、このあともゲンは立花のおやっさんが歴代ライダーに施した特訓がお遊戯に見えるほどの、本気で殺しにかかっているとしか思えない特訓を次々にやらされるわけですが。そりゃあ強くなって当然だよなぁ・・・。

 レオの頼もしい味方、アストラとキング。レオと一緒にいないときのアストラが何をやっているのかは本当に謎で、キングよりもむしろアストラの方がよっぽど謎めいたウルトラマンだと思うのですが。キングも最近はノアというもっと伝説の超人オーラを醸しだすウルトラマンがでてきたおかげで、一族の長老ぐらいの貫禄しかありませんね。

 残念ながら今回の回だけ見ても、レオの過酷な運命を描いた物語の魅力は伝わらないでしょうね。歴代ウルトラマンの中でも最も過酷な道を歩んだレオですが、それだけに後年メビウスやゼロに厳しく稽古をつける役として登場することにものすごい説得力が生まれたわけでもあります。特にメビウスに登場した時のゲン役の真夏竜さんが実に理想的な年の取り方をしていたというか、ミライを叱咤する厳しさに満ちた表情が、地球を守った後も険しい道を歩みながら己を磨き続けたんだろうなぁというのがありありと想像できる、求道者然とした実にいい表情だったんですよね。そしてまた、特訓を乗り越えて見事敵を撃破したミライに向けて初めて見せた笑顔に込められたあふれんばかりの優しさがまたたまりません。敗北を乗り越えて強くなる、というのはウルトラマンジャックも同じですが、レオはさらにそれを前面に押し出したからこそ、他のウルトラマンにはない人間的な魅力があります。