- 作者: サー・ピルキントン=スマイズ,岩井木綿子
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
- 発売日: 2014/02/26
- メディア: 単行本
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早川いくを氏の「へんないきもの」の海外版、とでも呼ぶべきでしょうか。この星における我々の奇妙な同居人たちについて、ギャグやジョークを交えて紹介しています。ただ「へんないきもの」よりも下ネタ寄りのジョークが目立つので、笑っていいのかよくないのか戸惑うところもあるのですが。しかし、生き物関連の本やTV番組は子供の頃から好きでよく読んだり見たりしていますが、いまだに初めてその存在を知る生き物もいて、つくづく地球の広さと生物の多様性には驚かされます。まぁ、何もそんな方向に進化しなくてもいいんじゃないかと思うようなのもいますけど。具体的に言うと
- 体が赤いわけでもないのに通常のナメクジの3倍のスピードで動くナメクジ
- アリの脳に寄生して育つハエの幼虫
- 「食べ物にいつありつけるのかわからないので食えるときは食えるだけ食う」という生き物の鉄則を忠実に守るあまり、明らかに消化能力を超えた大きさの獲物を食ったあげく、腹の中で腐敗した獲物が発するガスによって浮かんできてしまう深海魚
- 6秒に一回しか心臓を拍動させない南極の海にすむ魚
- 1秒間に1200回心臓を鼓動させ、そのあいだに500回呼吸する小鳥
- 酒の味を覚えたカリブ海の島のサル
といった愉快な地球の仲間たちの存在を、この本を読めば知ることになるでしょう。しかし、私が特に恐ろしいと思ったのは、アマゾン川に住むカンディルというナマズの仲間の小さな魚。こいつらは魚のエラから発せられる尿素を探知して、そこに突撃して穴を開け血を吸うという恐ろしい魚。ただでさえ恐ろしいのですが、さらに問題なのはこいつらは探知した尿素が魚のエラから発せられたものなのか、それとも別のとこから発せられたものなのか、その区別はつかないというところ。つまり、うっかりトイレを済ませた後でこの魚が潜む水の中に入ったら・・・ああ、恐ろしい。ショッカーは何でこいつらをベースにした怪人を作らなかったんだろう。
余談ですが、この本の中では「シュミット痛み指数」というものが紹介されています。これはその名の通りシュミットという昆虫学者が、世界のさまざまなアリやハチに噛まれたり刺されたりした痛みがどの程度なのかを数値で示したもの。一番痛みが少ない指数「1」は、コハナバチに刺された痛みで、「腕の毛が一本燃えた程度」。これが指数「3.0」のアカシュウカクアリでは「肉に食い込んだ足の爪が、ドリルを使って掘り出されている」となり、さらに指数「4.0」のオオベッコウバチに至っては、「入浴中の風呂に、動いているヘアドライヤーを放り込まれたときの感じに似る」・・・シュミット先生、その喩えに使っている痛み、本当にご自身で経験されたのでしょうか?