今月公開のハリウッド版ゴジラとそれに合わせたNHKBSでのゴジラ映画特集を前に、これまでゴジラに関わってきた人たちへのインタビューを中心にゴジラの誕生から現在までの歩みを振り返る特集。ゴジラについてよく知らない人はもちろん、ファンも満足できる内容でした。特にハリウッド版の公開を控えていることもあり、第一作の二年後にアメリカで公開された「怪獣王ゴジラ」についても詳しく取り上げ、日米におけるゴジラの捉え方の違いにスポットを当ててくれたのが嬉しいところ。アメリカでも日本のオリジナル版を見てその強いメッセージ性に感動したという人がいるのは喜ばしい限りですね。核や戦争、荒ぶる大自然の象徴、神あるいは悪魔・・・これほどまでに様々な見方の存在するゴジラというキャラクターの持つ特異な多様性に、改めて魅せられました。番組のラストにはこれまでの作品のプロデューサーや監督に「ゴジラとは何か」という問いかけをしていましたが、欲を言えば3.11を経た今、日本でゴジラ映画を作るならば、そこでゴジラをどう描くか、というのを訊いてほしかったですね。