BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン 感想

 ウルトラマンXの劇場版、公開から一週間を経て見てまいりました。公開初日は劇場版ガルパンの4DX上映を見に行ったので(こっちはもう「見てほしい」としか言いようがないすごい映画なので感想文はなし)・・・。

 TV最終回からしばらく経ち、地球には平和な時が流れていた。だが、「地獄が封じられている」という伝説のある東北の芭羅慈(バラジ)遺跡で、強欲で自己顕示欲の塊のような男・カルロス黒崎によって、閻魔獣ザイゴーグの封印が解かれ、蘇ってしまう。復活早々圧倒的な力でエックスを倒したザイゴーグは、唯一自らを封印できる力を持つ青い石を破壊すべく、それを持ち去った黒崎を追って東京へ。考古学者・玉城ツカサと協力してそれを迎え撃つXioだが、ザイゴーグの力の前に絶体絶命のピンチに。そしてそのとき、ツカサの息子・ユウトの母への強い想いが奇跡を呼び、ウルトラマンティガ、そしてウルトラマンが現れる!

 予告を見ればわかる通り、今回はエックスに加え平成シリーズ最初のウルトラマンであるティガ、そして正真正銘最初のウルトラマンである初代マンをフィーチャーした作品。それもあって、ストーリー的にも「ウルトラマン」の「バラージの青い石」や「ウルトラマンティガ」第一話を彷彿とさせる描写が登場してきます。これを踏襲して、ザイゴーグによって出現する怪獣もアントラーとゴルザがキャスティング。

 TV本編でも意欲的な撮り方で怪獣の巨大さと戦闘の臨場感を表現してきたエックスですが、劇場版でもそれは変わらず。特に三大ウルトラマンと怪獣たちが揃って直後のバトルでは、ウルトラマンと怪獣の肉弾戦はもちろん、上空からはスカイマスケッティによる援護射撃、画面手前からはジオマスケッティとバズーカを携えたアスナによる援護射撃が展開され、怪獣と戦うウルトラマン、そしてそれを全力で援護する人間の姿を、画面狭しとばかりに立体的に表現していて圧巻でした。今回エックスはクライマックスまでサイバーカードを使いませんが、その代わりにXio隊員たちがサイバーカードの大盤振る舞いでウルトラマンたちを援護。特にゴルザの新技であるローリングアタックを食らってウルトラマンがピンチに陥ったとき、アスナとハヤトがそれぞれサイバーゴモラ、サイバーゼットンの力を込めた砲撃でゴルザを攻撃して逆転のチャンスを作るシーン。かつてウルトラマンを苦しめたゴモラの力と、ウルトラマンを倒したゼットンの力が、今度はウルトラマンを救うことになるという展開は実にニクイ。逆に今回初登場となる、ウルトラマンとティガのサイバーカードでパワーアップしたエックスのベータスパークアーマーは・・・まぁ普通かな。

 今回は長く共に戦ってきたダイチとエックスの別れを描く作品でもあるので、この映画をもって真にウルトラマンエックスの物語は完結といえるでしょうね。その直後に、あんまりといえばあんまりなオチが待っているのですが。アスナの言う通り、地球の危機って結構簡単に、それも頻繁に訪れるからなぁ・・・。