BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週の仮面ライダービルド 第16話感想

 氷室から明かされた、戦兎の正体は葛城巧だったという衝撃の真実。葛城のマンションで起こった事件の顛末が明らかになりましたが・・・佐藤太郎が気の毒すぎますね。見代わりに使えるのなら誰でもいいとばかりに、何も知らない無関係の人間を殺してその死体を利用するなんてことをやってのけるスターク=マスターの冷酷非情ぶりが恐ろしい。スタークが葛城の死を偽装したのは、ファウストを抜けたがっていた彼に研究を続けさせるための苦肉の策だったわけですが、この一件のために何人もの人間の人生を狂わせておいてなお、いい加減な喫茶店のマスターを演じていたというのが底知れません。

 真実を知り、怒りを戦兎にぶつける龍我でしたが、さすがに記憶を失っていた相手を恨むのは理不尽なことであることはわかっており、それでも戦兎を許せない自分に腹が立つというのは、実に彼らしかったですね。

 一方東都政府では首相がスタークの毒によって倒れ、代理で首脳会談に出席した氷室は西都と北都の首相を挑発。いや、さすがにこの流れはおかしくないですか。普通だったら氷室は逮捕されてるはずでしょうし、首相が倒れても氷室ではなく別の人間が代理に立つはずでしょう。東都政府はそんなに人材不足なんでしょうか。

 北都が差し向けてきたスマッシュとガーディアンを前に、彼らを生みだした罪の意識から自分を見失い、危機に陥る戦兎。そこへ駆けつけた龍我がクローズに変身し、彼を叱咤する。「誰かの力になりたくて闘ってきたんだろ! 誰かを守るために立ち上がってきたんだろ! それができるのは、葛城巧でも佐藤太郎でもねえ。桐生戦兎だけだろうが!」。戦兎に助けられ、彼の姿を見続け、彼と同じ仮面ライダーになった龍我。彼だからこそ言える、奮起を促す熱いセリフでしたね。実際龍我や美空の言う通り、今の彼は葛城巧でも佐藤太郎でもない、「ナルシストで自意識過剰な」桐生戦兎なのですから。

 龍我と力を合わせスマッシュを撃退した戦兎の前に現れ、北都政府から宣戦布告がなされ、先ほどのスマッシュはその尖兵だったことを伝える氷室。別の場所では謎の男たちが現れ、スマッシュに姿を変えていた一人が街を破壊。そして北都からは謎の仮面ライダーが東都に向けて歩みを進める。そして彼らを差し向けた北都首相のそばにはスタークの姿が・・・。龍我の冤罪から始まった物語が戦兎の正体が明らかとなりひとつの区切りを迎えたのもそこそこに、政府同士の戦争という方向へとスケールアップ。まだ2クール目に入ったばかりだというのにこれですから、来年はどこまで予想外の展開が待っているのでしょうか。