ついに「桐生戦兎」としての人格と記憶を取り戻し、ビルド最強のフォームであるジーニアスフォームへと変身した戦兎。その力はまさに圧倒的で、マッドローグにほとんど反撃の機会を与えず一方的に撃破するほど。それにしてもマッドローグ、敗北するまで短かったですね。マッドローグになったのは前々回、それも終わり近くでしたから、優位を保てたのは実質1話だけとなり、もともと新ライダーの優位性の賞味期限(？)が短いビルドですがさらに不名誉な記録更新となってしまいました。まぁ内海だし・・・で片づけられても仕方ありませんが、内海のベルトは本当にエボルドライバーなのか、疑わしくなってきます。
エボルトの気まぐれのおかげで間近に迫っていた地球滅亡の危機は遠のいたものの、破壊が支配に変わっただけなので依然として危機にある状況は変わらず。そしてエボルトが目標を支配に切り替えたのと同時にロストボトルを奪い始めたことが気になった戦兎が調査を始め、再び物語は新たな方向へ。葛城の人格が戦兎に話しかけてくるようになったり、自殺したはずの葛城の父が生きているらしいことがわかったりと新たな展開がありましたが、それすらも脇に追いやって全てをかっさらっていったのが、幻徳のダサすぎる私服。物語の序盤ではファントムのトップとしてスタークとともに立ちはだかった男が、「威風堂々」「親しみやすさ」と書かれたクソＴを着てドヤ顔で現れるなど、いったい誰が予想できたことか。もうスタッフがこの男をどうしたいのかさっぱりわかりません。残りあと1クールぐらいしかないというのに、貴重な出番をこんなことで費やしてしまっていいのか、幻徳・・・。
一方、そんな私服のダサいおじさんとは違ってオタクらしさと同時に男らしさを見せるのも忘れないのが我らのカシラ。内海に拉致され高濃度のネビュラガスを注入されるも脱出し、倒されれば肉体が消滅してしまうリスクと引き換えにハザードレベルの大幅アップに成功。これはどうしても、「ショッカーにわざと捕まって再改造を受けた」という新1号、新2号誕生の裏設定を思い出しますね。本郷や一文字の場合は洗脳をされないよう対策を施していた様子ですが、今回の一海の場合はちょっと一海が暴れただけで簡単に脱走を許してしまった内海のマヌケさに助けられました。グリスのパワーアップ自体は望まれていたことでしょうけれど、ビルドやクローズと違って見た目の変化を伴わないかたちだったのが残念。そういうのがあるとしたら、おそらくはTVシリーズ終了後のVシネに持ち越しでしょうね。ただ、あえて消滅のリスクを残したまま戦い続けるという選択が、なんとも不安です。チェイスみたいなことにならなければよいのですが・・・。
