BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

SSSS.GRIDMAN 第9話感想

 またも街に怪獣が現れるが、現れた怪獣は何も動きを見せない。一方、裕太たちは夢の中でアカネが思い描く生活を送らされるが・・・。

 他のアニメでも見かける、敵が主人公たちを都合のよい夢に取り込もうとする話。ウルトラシリーズで「夢」といえばウルトラセブンの「第四惑星の夢」やウルトラマンティガの「夢」、ウルトラマンマックスの「胡蝶の夢」といった実相寺昭雄監督作品ですが、なんとなくそれっぽい雰囲気が漂っていましたね。裕太たち3人がどうやってこの夢から脱出するかが見どころでしたが、3人が3人それぞれに自らアカネを振り切って目を覚ましていくのが素晴らしかったです。特に「こんなに都合のいいことばかり続くはずがない」と気づいて、アカネに「本当にこういう形で出会えれば友達になれたのかもしれない」という内海が切ない・・・。

 しかし、それ以上にアカネが気の毒に見えるのもまた事実。そもそもこんなやり方に打って出なければならないこと自体、もう他の人間のようには裕太たちを都合よく自分の世界に繋ぎ止めておくことができないという焦燥の現れですし。彼女の中にも友達と仲良くなりたいという真っ当な気持ちはあるんだけど、それを行動に出すことがとてつもなく苦手で、そのうまくいかなさを自分の中で煮詰まらせていたところをアレクシスに利用され、あそこまで歪んでしまったのか・・・とも思いますけど、実際のところはもっと言い表せないぐらい複雑なんでしょうね。ちょっと前までアンチに裕太を殺させようとしていたのにここのところは裕太に執着していて、今回の夢の中に至っては恋人という設定にまでしていたり、一貫していないところもありますし。ただ、今回の一件を通して裕太たちも何よりやるべきことはアカネを救うことであると気持ちを一つにしましたし、特撮版が武史を救う物語であったように、この物語もアカネを救う物語なのはやはり間違いないのでしょう。

 そして、やっぱり登場した特撮版のゴッドゼノンに相当するパワードゼノン。見た目的には結構ゴッドゼノンとは違っていますけど、こちらもゴッドゼノン同様タイマンで怪獣を倒すことのできる強さでしたね。