前回デストラを退けることに成功した魁利たちだったが、魁利とノエルの前に再びデストラが出現。今回はゴーシュも協力しており、そのゴーシュの持つコレクションを警戒するあまり、隙を突かれてビクトリーストライカーとサイレンストライカーをデストラに奪われてしまう。二つのコレクションを金庫に収めたデストラの力はすさまじく、駆けつけたパトレンジャーもろとも魁利とノエルは吹き飛ばされてしまう・・・。
ただでさえ強いデストラが強力な二つのコレクションを手に入れてしまうという、鬼に金棒とかいうレベルではない最悪の状況。当然こんな奴に勝つには二つの戦隊が力を合わせることが必要不可欠ですが、そこに至るまでにもはや余計な回り道をする必要はなく、警察は「快盗は必ずコレクションを手に入れる」と睨み、快盗も「警察は必ず市民を守ろうとする」と睨むという、かたちこそ利用しあうというものであっても、その根底にあるのはまぎれもなくお互いに対する揺るがぬ信頼であるというのが、戦いが始まる前から最高すぎますね。ここまでぶつかり合いながら築き上げてきた二つの戦隊の関係性をこういうかたちで総決算するのは、見事としか言いようがありません。
そんな暗黙の信頼をもとに、お互いに意図した通りデストラに攻撃を仕掛けるものの、デストラの圧倒的な力を前に窮地に陥る両戦隊。ここで共にボロボロになった魁利と圭一郎が「あいつは絶対に諦めない」と信じ、お互いに「あいつならどう動く？」と読み合い、圭一郎のようにわが身を顧みぬ捨て身の攻撃を仕掛ける魁利と、魁利のようにその隙を突いて金庫を開けてコレクションを奪う圭一郎。これまた互いに譲れぬ信念をぶつけ合いながら影響し合い理解を深めてきた二人のこれまでがあってこその展開であり、もう「ずるい」とさえ言えますね。こんなもの見せられて燃えないわけないじゃないですか。デストラも破れこそしましたが、ここまでに二つの戦隊が築き上げてきたものがなければ到底勝ち目のない敵としての説得力は十二分に発揮してくれましたし、まさに敵ながらあっぱれです。ルパパトという一つのシリーズに収まらず、スーパー戦隊シリーズ全体を見渡してみても歴史に残る名エピソードと自信を持って言える回でしたね。
