BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

SSSS.GRIDMAN 第11話感想

 裕太がアカネに刺されるという衝撃の終わり方をした前回。これだけでも予断を許さないのに、壊れた街と街の人々の記憶のリセットを担当していた怪獣たちが殺されたおかげで、もはや街の被害も住民の記憶もリセットされることはなく、世界そのものが崩壊へと歩み始めた感じがしますね。今まではウルトラシリーズと同じような感覚で見ることができましたけど、こうして避難所となった学校の様子とかが映し出されると、途端に現実味が増してきます。こんな状況でもなみことはっすは割と普段通りですが、六花が何かを隠していることを訝るなみこに対し、「言えないってことは言わないってことを六花なりに考えたんだよ」と信頼を見せるはっすがよかったですね。

 一方、こんな状況になっても相変わらずアカネに新しい怪獣作りをせがむアレクシス。もう終盤も終盤だというのに、こいつの目的はさっぱりわかりませんね。グリッドマンやグリッドナイトを倒すために怪獣を必要としているらしいことは確かなようですが、倒すことができたとしたらその後何をするつもりなのか。街が崩壊しつつあることに関しては何も頓着していないのはこれまでからも明らかですし、ヒーローを倒して世界を支配するというわかりやすい目的でないことだけは確かですが・・・。

 アカネに断られたアレクシスは、とりあえず今までの怪獣たちをまとめて出現させることに。再生怪人軍団は仮面ライダーでは珍しくありませんが、再生怪獣軍団となるとウルトラシリーズでも劇場版でしかお目にかかりませんね。グリッドナイトが対処に当たっているその頃、裕太は自分の意識の中でグリッドマンと対面し、一つの真実を知ることに。祐太は記憶喪失などではなく、グリッドマン自身が裕太に宿って動いていた。いわば、ハヤタと一心同体になったウルトラマンみたいな状態ですが、その意識が裕太自身ではなくグリッドマンのものであり、なおかつグリッドマン自身が自分がグリッドマンであることを忘れていたという点がウルトラマンとは異なりますね。ウルトラセブンXのジンに近いかもしれません。ただ、六花に対する恋心は、グリッドマンが六花に恋をしたとは考えにくいので、部分的には裕太自身の意識も現れていたということでしょうか。真実を内海に語り、戦いに赴く裕太。男同士ではありますが、どうしてもダンとアンヌの別れを連想しちゃいますね。

 再生怪獣軍団相手にピンチに陥っていたグリッドナイトのもとへ、間一髪救援に現れるフルパワーグリッドマン。キャリバーをグリッドナイトに渡すのも含めて、マジンガーZを助けにやってきたグレートマジンガーのような、東映まんが祭り感があふれる王道にして最高の展開ですね。一方、ようやくアカネを探し出した六花。自分のことを好きでいるように設定しておいて、自分を心配してくれる六花を拒絶するって本当にめんどくさい女だなあと男としては思ってしまいますが、そこへ現れた空気の読めないアレクシスが、アカネを怪獣にするというまさかの暴挙に。次回いよいよ最終回ですが、風呂敷をきれいに畳むことはできるんでしょうか。