BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週の快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 第45話感想

 悟の一件がきっかけで、ギャングラーがさらった人間を元にして「化けの皮」を作っているというおぞましい事実にたどり着き、さらに捜査を進める圭一郎たち。一方咲也は幼稚園のクリスマスパーティーに招かれ、チキン料理を用意していくことを子供たちに約束するが、そこへクリスマスにチキンではなくシャケを食べることを強要するギャングラー怪人サモーンが現れ・・・。

 なぜか飛んでくるキツツキの記憶もまだ新しいというのに、再びやってきた大和屋暁氏脚本のイカレたギャグ回。いつもいつも思いますが、「クリスマスにはシャケを食え!」なんて発想はどこから出てくるんですかね。とても浦沢義雄氏の弟子だからという理由だけでは説明がつきません。サモーンの声を演じるのは、スーパー戦隊でおかしな怪人の声を演じさせたら右に出る者はいない津久井教生氏。例の寿司屋のポーズとともに「シャケざんまい!」とキメたり、去っていったからだいじょぶだろうと思ってこっそりチキンを店頭に戻したらまたやってきたり、「今日のラッキーシャケ」と称して氷頭なますなんていうマイナーなシャケ料理を紹介したり、とどまることを知らない暴力的なシャケ推しの嵐に完全に腹筋をやられました。しかしまあ、チキンを売ってる店の経済的損失を除けば、ここまで害のないギャングラーも初めてですね。シャケの切り身50円は破格の安さですし。クリスマス以外の時期に出てくれば主婦の人気者になれたでしょう。それにしても、何かの間違いでこいつが人間界を掌握してしまったら、ボスはどうするつもりだったんでしょうか。ギャングラーがただのシャケの販売促進のための組織になってしまうとしか思えません。サモーンのインパクトに押されがちですが、クリスマスにはチキンでなければ絶対にダメという鋼鉄のように硬い謎の強さの意思を見せる咲也、おそらくは国際警察の備品ということになっているであろうエックストレインを使ってケーキとチキンを買うだけのために一日に二度もパリと日本を往復するノエルも、こっちはこっちでいろいろおかしいですね。最終的には「やっぱりクリスマスにはチキンだけど、それはそれとしてシャケも美味い」というかたちに持っていったのもよかったです。

 これだけで終わればただのギャグ回ですが、ギャグと見せかけて大きなシリアスをぶち込んでくるのがこの番組の怖いところ。化けの皮の材料を集めるために行われたと思われる2年前の大量失踪事件を調べていた圭一郎は、被害者の中に魁利の兄がいたことをきっかけに、ジュレの3人全員が大量失踪事件の失踪者の関係者であることに気づき・・・まさか、化けの皮がもとでいよいよごまかし切れそうもない尻尾をつかまれることになるとは思いませんでした。見る者すべてが怖れ、一方で楽しみにしていた時が、いよいよ訪れることになりそうです。