BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週の仮面ライダージオウ 第30話感想

 再び出会ってしまったブレイドとカリス、二人のジョーカー。それこそがまさにこの世界を破滅に追い込まんとする白ウォズの企みだった。ソウゴたちはなんとかそれを阻止しようとするが・・・。

 

 思わぬかたちで再開してしまったバトルファイト。まさか15年も経ってからこんなことになるとは想像もしていませんでした。完全に部外者の手によって無理やり再開されたかたちですが、それでいいのかあのねじれこんにゃく。白ウォズによって変身させられたアナザーブレイドブレイドとカリスの力をジョーカーの力ごと吸収。世界の破滅が始まる中、勝ち誇る白ウォズに対してソウゴがとった行動は意外にも彼を叱りつけることだった。白ウォズがこのようなことを起こしたことそのものよりも、彼が未来を諦めてしまったことに対して怒るソウゴ。たとえ敵対する相手であろうと、未来を諦めない限りはそれを認めたうえで全力で立ち向かう。ソウゴもますます、王様を目指すだけはある度量の大きさを見せ始めましたね。

 

 ソウゴの言葉に心動かされた白ウォズは、ジオウⅡウォッチとゲイツリバイブウォッチから生み出されたトリニティウォッチを彼に託す。そしてそれを使って、ジオウトリニティに変身するソウゴ。しかしこれは・・・何人も合体してるところといい、ゲイツとウォズの仮面が肩にくっついてしゃべるたびに動くところといい、どう見ても電王クライマックスフォームですありがとうございました。かつてクライマックスフォームを演じた時に、スーツアクターとしての経験を引き出しが空になって何も出ないぐらい出し切ったと語っていた高岩さんですが、まさかまた同じようなライダーを演じることになろうとは。「たぶん」「きっと」と祝う言葉もなんだか戸惑い気味のウォズですが、これが定められた未来とは異なる白紙の未来へと歩き出す姿であると考えると、感慨深いものがありますね。一方、派手な見た目とは裏腹に、その戦闘は三人分のライダーの武器を使えたり、一人でトリプルライダーキックを繰り出したり、三人が合体していることから導き出される順当なもので、ジオウⅡの未来予知や時間操作のような超絶的な能力は見せませんでした。まぁ、これから先明らかになるのかもしれませんけど。

 

 ジオウトリニティがアナザーブレイドを倒したことにより、統制者は消滅。ブレイドとカリスの力がジョーカーの力ごとライドウォッチに封印されたことにより、期せずして剣崎と始はようやく孤独な運命から解放されることになりました。ブレイド超全集に載せられた小説「たそがれ」や講談社キャラクター文庫の小説ブレイドとは異なる結末ですが、文句なしのハッピーエンドで、これを見られたことはかつてのブレイド視聴者として喜ばしいことでした。

 

 戦いが終わり、自分の前に現れた黒ウォズに対し、「彼なら面白い未来をつくれそうだ」とソウゴを認めたうえで、スウォルツに対する警告を残して消えていく白ウォズ。彼がここで消滅するとは思いませんでしたが、結局のところ彼がやってきた、彼が作ろうとした未来とは、一体どんな世界だったのでしょうか。気になっているのは、彼がかつて口にした「私達の救世主として」という言葉の「私達」とは誰を指していたのか。スウォルツがそこに含まれるのは間違いないでしょうけれど、果たして彼だけなのか、他にも白ウォズの背後に何者かがいたのではないかという疑問は、彼が消滅してなお残りましたね。残ったといえば、彼が持ってきたり作ったりしたミライドライバーやミライドウォッチ、ゲイツリバイブウォッチ、未来ノートもまた、彼が消滅したにも関わらず現存していることもまた謎です。思っていたよりもきれいな最期を遂げた白ウォズでしたが、残された謎は変わらずに大きいままですね。