BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

今週の仮面ライダージオウ 第49話感想

 仮面ライダーツクヨミへと変身を遂げたと思ったら、いきなり兄に服従を誓うツクヨミ。どう考えたってこの期に及んでありえないのですが、なぜかそれをあっさり受け入れるスウォルツ。終盤になればなるほど小物化していきましたが、とうとう用心深さまで失ったんでしょうか。ソウゴたちがそんなにショックを受けている様子も見せず、怪人たちとの戦いに当たったのも、そのへんを見抜いていたんじゃないでしょうか。ソウゴとの朝食をとった後、修理したライドウォッチをソウゴに託し送り出すおじさん。やっぱりおじさんはすごいし素晴らしい人でした。最初の頃は疑っててごめんなさい。全部エボルトが悪いんです。

 

 ゲイツたちに合流し、グランドジオウへと変身してアナザーディケイドに最後の戦いを挑むソウゴ。しかし、アナザーディケイド…というよりは、ダグバやエボルトといったラスボス軍団の猛攻の前に倒れ、トドメを刺されかけたそのとき、割って入ったゲイツがその直撃を受けてしまう。ソウゴの腕の中で彼の名を呼び、「お前なら最高最善の魔王になれる」とオーマジオウへの変身を促して息絶えるゲイツ。最初の頃あれだけソウゴへの敵意を露わにしていたゲイツが、彼を心から信じ、オーマジオウへの変身を促すことになるとは…。ゲイツを失った怒りを悲しみを叫びに変えながら、ついにソウゴはオーマジオウへと変身。ラスボス達が一撃で倒されていく光景だけでも、オーマジオウの絶対的魔王ぶりが伝わってきますね。ついに念願の時が来たとばかりにその力を奪おうとするスウォルツだったが、吸収しきれずオーバーヒートしたところでオーマジオウの攻撃を喰らい大ダメージ。さらに、やっぱり最初から裏切ってなどいなかったツクヨミからの攻撃を受け、彼女に反撃を食らわせるも、オーマジオウのライダーキックを受けて、ついにその命運は尽きる。本当にこの人、穴だらけの計画だったのによくここまでやってこられたなぁ…。

 

 ソウゴとツクヨミの世界が一つになる一方、それぞれのライダーたちの世界は元通り独立を取り戻し、世界の危機は去った。しかし、ゲイツツクヨミもいない世界で王になることに価値を見出さないソウゴは、未来の自分と言葉を交わし、オーマジオウの力で歴史を作り変えることを選ぶ。そして、再び始まる2018年9月。しかしそれは単なる時間の巻き戻しではなく、ソウゴが時計の針の一周に例えたように、違ったものになっていた。ソウゴとともに学校に通うゲイツツクヨミ、それにウールとオーラ。それを見守りながら、ウォズは一人本を閉じ、物語を終えるのだった。

 

 いやぁ、どうなるのかと思いましたけど、思った以上にシンプルでスッキリした最終回でしたね。まぁオチ自体は去年見たのとかぶるところもあって、なんだかうまくごまかされたような気がしないでもありませんが。世間ではジョジョ6部の終わり方とか言われてますが、確かにそれが的を射ていますね。ウールやオーラだけでなく、ミハルもあの世界では生きてるんでしょうけど、剣崎と始の再会もなかったことになってるかもしれないし、なかなか複雑です。結局、第一話から気になっていた、ソウゴは王様になって具体的に何をしたいのか、についてはついに語られずじまいでしたが、まぁこれは、悪の組織が世界征服をしたあと何がしたいのかわからないのと同じようなものなんでしょう。平成ライダーを総括する作品になることは始まる前からわかっていましたが、ディケイドをも巻き込んで想像をはるかに超える広がりを見せたこの物語。クウガから見続けてきた私にとっての平成ライダーの物語も一つの終わりを迎えましたが、この作品には平成ライダーのとんでもなさ、そして素晴らしさを改めて教えてもらいました。終わってみれば風呂敷を畳み切れていないところもありますが、風呂敷を広げて広げて畳みきれないところもまた、平成ライダーらしいと言えるから本当にずるい。そう、平成ライダーはいろんな意味でずるいからこそ、世界中どこを見渡しても見つからない物語となったのです。このずるいぐらいなんでもありで型破りな20の物語を作ってくれた全ての人々に、18年分の感謝を込めて。我々仮面ライダーファンにとっての平成は、今ここでようやく終わりました。そして、来週から始まる新たな時代のライダーは、平成ライダーから何を受け継ぎ、何を新しく生み出していくのか。引き続き、括目させていただきます。