BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 第19話感想

 お仕事対決第二弾として垓が提示してきたのは、住宅販売対決。どちらがより多く家を売ったかで勝負というシンプルな対決ですが、前回の生け花といい、どうしてこう妙な種目での対決ばかり挑んでくるんですかねこの社長は。そもそも人間とヒューマギアを同じ土俵の上で対決させるというのは、オリンピック選手とパラリンピック選手を同じ競技で対決させる以上に無理があり、どんな対決をしたところで公平な勝負なんて望めるはずがないと思うのですが。

 

 さて、現状では怪人としてこれまでにも登場してきたマギアと、新たに登場したレイダーの2種類が存在するわけですが、そのうちマギアの発生については垓の口から謎の答えが出ました。曰く、現在起こっているマギアの発生原因は、人間の悪意にさらされたヒューマギアに対してアークがアクセスし、「負のシンギュラリティ」を誘発することによって起きているとのこと。ゼツメライザーによる暴走と比べると、アークが人類に対して防衛行動を起こすようヒューマギアに促しているようにもとれますね。まだわからないのは、なぜそれが今になって起こるようになったかということ。ヒューマギアに対して悪意を向ける人間は以前からいたはずですから同様のケースが発生していなければおかしいはずなのですが、今になって急に発生し始めたというのは妙ですね。最も気になるのは、マギアにせよレイダーにせよ、どこまでが垓の計画のうちなのかというところ。彼が裏で糸を引いているのか、あるいは彼にとってもイレギュラーなことなのかは現段階ではつかみかねますが、少なくともどちらもうまく利用していますね。前回の家元といい今回の不動産屋の営業マンといい、人格に問題のある奴ばかりなのも、ヒューマギアに暴走を誘発させるために意図的にそういう奴らを起用しているとしか思えません。

 

 「ヒューマギアには自我を抑制する理性がない」と或人に言った垓ですが、おそらくは言ってる本人も人間の理性なんてものはこれっぽっちも信じちゃいないでしょう。組織が大きくなればなるほど、その上に立つ人間は性悪説で人を見るのが世の倣い。権力者や為政者は個人の理性による「自治」ではなく、規則や力によって人を「管理」したがるもの。人間の可能性を信じるようなことを口にする一方で、勝つためには人間の悪意を煽り利用することも平気でやる垓は、ヒューマギアはおろか自分以外の人間すらも心の中では見下しているのではないでしょうか。