BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

スーパー戦隊MOVIEパーティー

 毎年恒例、VS戦隊の季節が今年もやってまいりました。今年はキラメイジャーのエピソード0との二本立て。感想は例によってネタバレを含みますので、未見の方はご注意を。

 

◆騎士竜戦隊リュウソウジャーVS怪盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー

 まずは毎度おなじみのVS戦隊ですが、今年は戦隊が3つも出てくるだけあって、いきなり戦隊同士が出くわすのではなく、コウが魁利と、バンバとトワが圭一郎と咲也と、カナロがつかさと…という具合に、個別のメンバー同士が別々の場所で出会いながら話が進んでいくのが凝っていましたね。どこまでも純粋で屈託なく人と接するコウと、ともすれば仲間にも容易に本心を打ち明けることはない魁利。お互いに頑固者なので話が全く進まないバンバと圭一郎。つかさ相手にいつもの調子で迫るカナロと、それぞれの対照的なところや逆に似たところをうまく取り入れていましたね。

 物語はクレオンがギャングラーの生き残り、ガニマ・ノシアガルデを牢屋から解放したところからスタート。ゴーシュから金庫増設の人体実験を受けていたガニマは、ティラミーゴをはじめとする5体の騎士竜を自らの5つの金庫に閉じ込めてしまった。ティラミーゴたちを取り返そうとするリュウソウジャーでしたが、戦闘中にガニマはティラミーゴの力で金庫を黄金の金庫にグレードアップ。これにより、現存するダイヤルファイターの数では金庫を開けられなくなり、リュウソウジャーは騎士竜ごとガニマを倒さなければならない苦境に立たされることに。この状況を背景に、自らの使命のためにティラミーゴたちを犠牲にすることに葛藤するコウと、使命ではなく自分たちの願いのために戦うことを彼らしく言外にコウに促す魁利というシーンが、使命のために戦うリュウソウジャーと自らの願いのために戦ったルパンレンジャーのうまい対比になっていましたね。今も怪盗を追いつつも、同時に彼らに強い信頼を置いて戦うパトレンジャーも変わってはいません。

 最終決戦もまた、戦隊同士で武器を交換しながら戦うのがめずらしかったですね。VSチェンジャーとリュウソウケンを手に戦うパトレン1号とか、ブレードブーメランとシザーシールドを装備して戦うリュウソウレッドとか、違和感なく決まっていました。ルパパト本編でも見られなかったスーパールパンイエローやスーパーパトレン2号も見られましたし、個人的にはルパンレッドがパトレン1号にトリガーマシンスプラッシュを託すシーンがさりげなく感動しました。肝心の金庫の問題をどう解決するかは、完全にリュウソウジャーの方のノリで「そんなんありかよ」という解決法でしたが。ゴーシュがいないから当然とはいえ巨大ロボ戦がなかったのが残念でしたが、それを抜きにしても前代未聞の三大戦隊VS映画として、十分に堪能させていただきました。

 

◆魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO

 新戦隊のスタートに先駆けて、第1話より前の物語を映画でやるというこちらも初の試み。闇の帝国ヨドンヘイムの侵略を受けた宝石の国クリスタリアから逃れてきたマブシーナ姫とキラメイストーンによって選ばれた4人の若者が、キラメイジャーを結成するまでの物語。まぁこちらは普通に第1話で流してもいいような内容なので特段驚かされるようなことはなかったのですが、強いて言うなら次のレッドはコウとは違う意味でヤバい奴という感じがしましたね。また、過去の荒川脚本戦隊の例に漏れず、今回の戦隊メンバーの個性も例年以上に個性的。本格的に物語が動き出したらどうなるか、これから1年また楽しめそうです。