BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーゼロワン 36話 感想

 記憶が戻ったことで家族に会いに行くべきかどうか思い悩む不破を見て、新たな人工知能を開発する或人。一方、滅亡迅雷.netではついにアークが仮面ライダーアークゼロとなって行動を開始する。

 

 今まで散々普通普通とその人生や家庭をネタにされてきた不破でしたが、意を決して家族の様子を見に行って、その普通の暮らしぶりを見て安堵する、という展開は良かったですね(ゲラなのは家族全体そうだったということまで明らかになってしまいましたが)。その不破のモヤモヤを解消するのに早速役立った、飛電製作所初の製品である友達型AI、アイちゃん。スマートスピーカーのような見た目だけでなく、機能もただ話を聞いてくれるだけ、というシンプルすぎるものですが、誰もが悩みや孤独を抱えるこの現代社会では、ある意味最も求められる人工知能のかたちという感じがしてリアルです。ヒューマギアのように暴走する危険性もありません。見た目に反してこれからの展開で非常に重要な役割を果たしそうですが、これが人類と共存する人工知能の理想的なかたち、みたいな方向へ話を持っていくとなれば、当然これまでの話は何だったんだということになりかねないので、かなり波乱を含む要素ですね。

 

 そして、ついに登場したアークゼロ。その場で武器を生成するわ、メタルクラスタと同じものらしい飛電メタルの防御は使えるわ、やられても近くにヒューマギアや頭にチップの埋め込まれた人間がいればすぐに乗り移って再生可能だわと、ラスボスに相応しい脅威の能力を見せつけてくれました。ただそれとは裏腹に、わかってはいたことですが、こいつは自ら思考した結果ではなく、人間から与えられた悪意に基づいて人類滅亡という行動に走っているんですよね。他人から与えられた思想を咀嚼も解釈もせずにバカ正直に受け止めて行動原理とする。ただの怪人ならいざ知らず、ラスボスと目されている敵がそんな操り人形みたいな奴では、ここからの盛り上がりに響いてくるのではないでしょうか。