BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンZ 第5話感想

 アラスカで発見された超古代の謎の石器。日本に持ちこまれたそれを追うかのように、アラスカから冷凍怪獣ペギラが飛来する。迎撃に当たるウインダムがペギラの冷凍光線によって活動停止に追い込まれ、中のヨウコも危機を迎える中、ハルキはゼットに変身しようとするが、その背後に迫る怪しい影が…。

 

 今回も見どころはてんこ盛りですが、まずは今回の敵怪獣であるペギラから。第1話登場したゴメス同様「ウルトラQ」で初登場したペギラは、ガラモンと同じく二度に渡って登場した人気怪獣であり、「ウルトラQ」の顔とも言える怪獣。常に眠そうな半開きの目をした愛嬌のある風貌とは裏腹に、現れるだけで周囲を極寒の世界に変える恐ろしい力を持っており、しかも「ウルトラQ」では二度とも「撃退」されるに留まり、一度も「倒された」ことはないという強豪です。最古参の怪獣でありながらこれまでウルトラマンとの交戦の機会はありませんでしたが、先日Web動画のギャラクシーファイトでついにウルトラマンリブットとの対戦が実現し、さらに今回、ファン待望のTVシリーズでのウルトラマンとの対決が実現と相成りました。そんな期待値の膨らんでいる中登場したペギラは、まずは黒雲を引きながら飛来し、冷凍光線を吐くと同時に物体を浮き上がらせる反重力現象を引き起こすという「ウルトラQ」と同じ描写で大暴れ。迎撃に当たったウインダム、セブンガーをものともせず、続けてのゼットとの対決でも華麗な空中機動でゼットとの空中戦を繰り広げた末に冷凍光線でゼットを地面に叩き落とすという、大健闘という言葉では足りない猛威を振るってくれました。ゼットがゼットランスアローを手にしなければ、おそらくやられていたことでしょう。長年ウルトラマンとの対決が待ち望まれてきた古豪の記念すべき一戦としてふさわしいものになったのではないでしょうか。

 

 そして…予告の時点で騒ぎにはなっていましたが、やっぱり出てきたこの男、ジャグラスジャグラー。まぁ匂わせすぎなぐらい匂わせてましたから出てくること自体は「やっぱり」ですけど、変身しようとしているハルキの背後からいきなり「よっ」と現れた時は、あまりの唐突さに驚きました。そんなオーブ視聴勢ですら驚くような登場から畳みかけるように、ハルキからゼットライザーを奪い、なんと複製。そこからご丁寧にもハルキにゼットライザーを返し、ゼットがペギラを倒したところを見計らって魔人態からヘビクラ隊長の姿に戻ったかと思ったら、ゼッパンドンに変身。それなりに交戦してゼットランスアローの必殺技を喰らってやられるも、地面に大の字になって伸びながら例の素敵な笑顔を浮かべながら満足そうに笑う…と、まさにやりたい放題。オーブを観てない人からすれば、わけがわからんことでしょう。オーブ視聴勢にとっても、ただ彼の奇行に慣れているというだけでわけがわからないことには変わりはないのですが。とりあえず今回判明したことは、やっぱりヘビクラ隊長の正体はジャグラーだったこと、ダークリングをまた失くすか何かしたのでゼットライザーの複製を作ることがこの宇宙に来た目的の一つらしいこと、ぐらいでしょうか。まぁそういう目的なら、オーブもいないのにこの宇宙にいることも納得できますが、ゼットライザーの複製が目的ならなんでわざわざストレイジの隊長なんてポジションにつく必要があるのでしょうか。ハルキとゼットの監視をするには確かに格好のポジションですけど、彼はゼットがこの宇宙に来る前からストレイジの隊長の座についていたわけで、監視が目的だとするならゼットがこの宇宙にやってきてハルキと一体になることを予め知っていなければならないことになる。もちろん、彼がウルトラメダルの奪取に始まる今回の件全ての黒幕ならそれも無理な話ではありませんけど、メタな話をすれば、ウルトラマンオーブという別作品からのゲスト出演である彼が今回もそこまで黒幕として大いに立ちまわるというのは少し考えづらい気がします。まぁ、このニュージェネきってのトリックスターであるジャグラーが、そんなにあっさりとその思惑を我々に見せるはずもないでしょうから、今後も彼にはゆっくりと楽しませてもらいましょう。

 

 さて、ジャグラー登場の衝撃も冷めやらぬ中、物語はさらに一段ギアを上げ、また一人新たな役者が舞台に上がることに。ジーッとしててもドーにもならない!!