BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

魔進戦隊キラメイジャー エピソード16 感想

 クランチュラが送り出してきたマシュマロ邪面。その姿に若き日の苦い思い出を呼び起された宝路のトラウマを克服するため、瀬奈が彼女らしく突っ走る回。前回マシュマロをいたく気に入ったクランチュラでしたが、早くもそのマシュマロをモチーフにした邪面師で、道行くマダムをマシュマロに変えてしまう作戦を開始。とうとう作戦に私的な欲求を割り込ませ始めましたね。マシュマロぐらい普通に買えばいいだろ…と思いますけど、邪面師を一体一体送り込むのが精いっぱいの状況では、クランチュラもそう簡単に地球に行けるわけでもないんでしょう。ガルザはジョーキーに乗ってホイホイ気軽に地球と行き来してますけど、あいつがお使いなんか頼まれてくれるわけもないし。

 

 そんないつにも増して珍妙な邪面師を前に、しょうもないといえばしょうもない過去のトラウマをほじくり返される宝路。過去の回想シーンをよく見ると、どうやら宝路が通っていたのはターボレンジャーが通ってたのと同じ高校で、年代的にも一致するというのが相変わらず変なところでネタに凝ってますね。40を過ぎたいい大人が、学生時代の恋愛の苦い思い出をいまだに引きずって、それなのに娘みたいな年代の女子に尻を叩かれなければ謝ることにも後ろ向きというのはなんとも情けないですが、女と違って男はそういうのをスパッと斬り捨てることができずにズルズルと引きずり続けるところがあるというのは事実なので、複雑な心境になります。どうしてこの番組はこう、人間の変にリアルな一面をことあるごとにねじ込んでくるのでしょう。まぁ宝路がそんな調子なので、どこまでも一直線に突っ走る瀬奈の快活な性格がより引き立って見えたのが良かったですね。自分もそういう経験をしたとかいう理由からじゃなく、あくまでチーム全体のことを考えたうえでのおせっかいというのも、「仲間には常にキラキラに輝いていてもらいたい」というキラメイジャー特有の信念が貫かれていて素晴らしい。瀬奈の主役回ではありますが、凍ったマシュマロを見てマシュマロ邪面攻略を思いつく為朝のプロゲーマー&チームの参謀役らしいクレバーな活躍と、それをしっかりと誉めたうえで魔進マゼランの能力に活かす充瑠の誉め上手&ひらめきぶりも描いていくのは、本当に隙のない脚本でした。