BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーセイバー 第8章 感想

 毎週のように言っていることをまた今回も言わなければならないことにうんざりしかけているのですが、兎にも角にも拙速が過ぎる、と言わざるを得ない回。端的に展開を説明するなら、「勝手にピンチになって勝手に切り抜けて勝手にパワーアップした」としか言いようがありません。まず、先週のラストで手に入れたばかりのライドブックを、まだろくに使ってもいないのに使いこなせるのかどうか飛羽真が思い悩むというのが不自然。使ったうえで暴走したとか、力が引き出せなかったとか失敗をしたうえで悩むならともかく、その前から悩むのはおかしいでしょう。で、そんな飛羽真があれこれ悩んでいる間に尾上が彼をかばって石になるというのも、ピンチとして用意されたという感がある展開。そしてそのピンチを乗り越えるために、仲間の力を信じて書き上げた物語に沿った連携で敵を倒す…これはもう、「いや、君ら本当にそんなに仲いいわけ?」としか言いようがありません。百歩譲って倫太郎や賢人とはそれだけの信頼関係が築けているとしても、蓮に関してはまだそこまで行ってないでしょうに。こういうのは紆余曲折を経て信頼関係を築き上げた味方サイドの登場人物たちがラスボスと対峙する、早くても4クール目に突入したあたりにやってこそ成立するものでしょう。長年ライダーを見てきた視聴者は、そこへ持っていくまでがどれだけ大変なのかを嫌と言うほど見て知っているわけですから、こんな序盤でそんなことをされたところで説得力を感じられるはずもありません。物語に説得力を与えるのは、偏に物語の積み重ねのみ。奇しくもそれはこのあとのキラメイジャーでさらに浮き彫りになるのですが、それはそちらの感想で。