BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンZ 第22話感想

 街を散策していたハルキとヨウコたちを、またもやバロッサ星人が襲撃。巨大化したバロッサ星人と戦うゼットに、ヨウコは展示されていたセブンガーに搭乗して加勢する。一方、その戦いの裏では、D4をコントロール下に置くためにゼットの光線のデータを入手しようとする防衛軍、さらにはその動きを知り独自の行動を開始したジャグラーが、それぞれの思惑で動いていた…。

 

 突然のストレイジ解散に明日の我が身の振り方を案じつつも、あえて前向きに休日を楽しむハルキたち。そこに水を差してきたのは、もはや出てきても驚かれることすらなくなったバロッサ星人。一つの番組で三代目まで登場するのはバルタン星人以来の快挙…と言っていいのかどうか、もはやウザいだけですが。タピオカを飲むという宇宙暴走族みたいな巨大化をしたバロッサ星人に対しハルキも変身、さらにヨウコがセブンガーで加勢し、さらに騒ぎを聞きつけてやってきたキングジョーストレイジカスタム、ジャグラーが変身したファイブキングが乱入し、なんとも混迷した状況に。久々の出番となったセブンガーですが、なんとベリアロクを手にバロッサ星人を倒すという金星を達成。今まではハルキが礼儀正しく接することで使いこなしてきたベリアロクですが、それとは逆に煽りまくってもなんだかんだで使えちゃうんですね。チョロいなぁ…。

 

 一方、この最終盤にやるとは思えないギャグのような展開の裏では、対照的に最終盤に相応しい陰謀が展開。特に意外だったのは、ゼットの光線のデータを入手しようとする防衛軍の目論見を、ジャグラーが独自に支援する行動を見せたところ。あのウルトラマン嫌いのジャグラーにとっては、明らかにウルトラマンをモデルにしているうえに能力的にもウルトラマンと同じものを持たせようとしている特空機4号機・ウルトノイドゼロは容認できない存在ではないかと思っていたのですが。彼の目的は地球人が怪獣に対して自衛できるだけの戦力を持つことを支援し、それによって結果的にウルトラマンを不要の存在にすることではないかと睨んできましたが、そのためならウルトラマンの力を利用することもまたよしと考えているとしたら、彼は思っていた以上にシニカルなのかもしれません。ただ、彼の性格や今回のラストでハルキに言った言葉から考えても、苦心して築き上げてきたストレイジを解散に追い込まれるというやられっぱなしのままでいるとは考えにくいというのもまた事実。ジャグラーという男の本質は常に「選ばれなかった者」のコンプレックスを晴らすことにありますから、いずれ最高のタイミングで自らの望みを果たすまでの絵が、既に彼の頭の中にあると思っていいでしょう。それがいかなるものであるのか全く予想が付かない、つくづく底の知れない男です。そのカギを握るのはやはりウルトノイドゼロなのでしょうが、次回ベールを脱ぐその力とは…。