BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ゴジラ S.P 第5話 感想

 ラドンに続く新たな怪獣が今回からいよいよ本格登場。まずは前回の冒頭でも登場したマンダ。沈没した漁船の乗組員の救助にやってきた海上保安庁のヘリに目撃されたことで、ラドン同様こちらも一般市民の知るところに。「マンモス級の蛇」から「マンダ」というネーミングは、「海底軍艦」のマンダと同じですね。一方、シヴァ共同事業体が管理しているインドのウパラ研究所の地下からは、怪獣サルンガが出現。当初はファンの間でもバラゴンの特徴を備えたガバラかと話題になっていましたが、まさかの新怪獣扱いとは。確かに、前肢が後肢より長くゴリラのようなナックルウォークで歩く様は、ガバラともバラゴンとも異なりますが。

 

 そして、ついにユンたちの前に姿を現したアンギラス。驚いたのは、見た目に反してアサルトライフルの銃弾でも命中すれば出血する程度のダメージを負うため、背中に生えている棘を振動させて銃弾を弾いて防ぐ、というところ。確かにアンギラスの棘はその体のパーツの中で最も特徴的でありながら、昭和ゴジラシリーズにおいては攻撃はおろか防御にも有効に利用されたことがなかったので、こういうかたちで使われるのは面白いですね。しかも、発砲される前から棘を振動させて銃弾を弾く体制をとっていたことから、未来予測どころか未来視を行っている可能性が指摘されることに。なんだか今回のアンギラス、単なる一怪獣では終わらなさそうな気がします。ユンたちに目撃されて姿を消したあと、アンギラスによって畑や人家に被害が出たため、市は猟友会を招集して山狩りを行うことに。以前「空想科学論争!」という本を読んだときに、ゴジラが現れ駆除対象とされたときは、決まり上まずは猟友会にお呼びがかかることになると書かれていて笑った覚えがありますが、まさかそれが現実に描かれることになろうとは。しかし、いざ出現したアンギラスはユンたちが遭遇した時よりもずっと大きくなっており、猟銃はおろか捕鯨用の銛さえ跳ね返す鉄壁の防御と機動力を見せることに。その前にジェットジャガーが立ちふさがったところで今回は終わりでしたが、現在のジェットジャガーの下半身はタイヤ。よりにもよって強力な突進を武器とするアンギラス相手に、ふんばりが効かなさそうなタイヤの下半身では勝てる気がしないのですが、大丈夫なんでしょうか。

 

 次々に現れる怪獣に目を奪われますが、ここまでの話の中で登場してきたヒトやモノ、組織が、いよいよ点と線でつながり始めたのも注目すべきところ。アーキタイプの原料となる分子とラドンがまき散らす紅塵が酷似していること。ミサキオクの創設者である芦原が、表向きはクラゲの研究としながらその実は地下にある謎の骨の研究をメインで行っていたこと。その芦原がかつて設立した企業が、現在アーキタイプの開発を行っているシヴァ共同事業体の母体となったこと。時間を超えた作用を起こすアーキタイプと、時間を超えて未来を視ていると推測されるアンギラス。これまで出てきた怪獣たちも、アンギラスを除いては紅塵のある場所から現れたため、怪獣たちと紅塵、さらにはアーキタイプとの間になんらかの関係があることは明らかですが、いよいよ謎解きの楽しみの面からも面白くなってきました。