BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダーリバイス 第1話 感想

 1971年、中南米の遺跡から悪魔との契約を可能にするスタンプが発掘された。その遺跡からともに発見されたミイラ「ギフ」を崇めその復活をもくろむ悪魔崇拝組織「デッドマンズ」と、それと敵対する政府特務機関「フェニックス」。家族とともに銭湯を切り盛りする五十嵐一輝は、フェニックスの隊長に任命されることになった弟・大二の任命式に家族や常連客とともにやってくるが、そこをデッドマンズが襲撃し…。

 

 ついに始まった仮面ライダー生誕50周年作品、仮面ライダーバイス。既にスーパーヒーロー戦記の併映作品とセイバーの増刊号で、一輝とバイスのコンビがどんなものかはだいたいわかっていましたけど、改めて始まってみるといろいろ驚かされましたね。悪の組織とそれに対抗する人類側の組織の存在がともに一般市民にまで周知されてるのは過去の作品でもありましたが、両親も兄弟も健在で和気あいあいと実家の銭湯で食卓を囲んでいる一輝の暮らしぶりは、スーパー戦隊ではちょくちょくあっても仮面ライダーではついぞ見かけなかったもので、まっとうな暮らしを送っていることがむしろヒーローとしては異色。そんなまっとうな暮らしを送ってるからこそ、一輝が変身する前から彼の前に現れていたバイスの、ドラえもんオバQのような日常風景にいる非日常存在ぶりが際立つのですが。先行登場では無軌道な暴れっぷりや第四の壁を突破してこっちに話しかけてくるおちゃらけた性格が前面に出ていましたが、今回は家族の命の危機につけこんで一輝に契約をするよう言葉巧みに唆し、まんまと実体化したら一輝の母の幸美を襲って喰おうとしたり、悪魔というだけはある狡猾さ、腹の内の読めなさも見せていて、無茶苦茶な言動も残虐な本性を隠すためのカムフラージュなのではないか?という見方もできて、一筋縄では理解しきれない面白い奴になったなと思いました。そもそもバイス自身が「お前の心の中の悪魔」と一輝に名乗った通り、一輝が自分でも気づかぬうちに心の奥底に封じていたペルソナみたいなものがバイス、という可能性もあるわけで、そんなバイスが幸美を襲ったということは…と、なかなか不穏な深読みもできてしまいそうなのが、恐ろしくも期待は持てますね。この作品、ただ楽しいだけでは決して終わらないでしょう。期待と恐れを心に抱えながら、また一年間、悪魔と相乗りするとしましょう。