BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン1話 感想

 ジェットマン以来30年ぶりに井上敏樹がメインライターを務めるスーパー戦隊の新シリーズ!という、特撮ファンにとって期待と不安の渦巻く中ついに始まったドンブラザーズですが…いやぁ、どっから手を付けたらいいものか。開始早々次々と繰り出される情報の洪水に飲まれるばかりでした。どんぶらこどころか激流ですよこれは。まぁ何を置いても先に言わなければならないのは、正直なところ私は井上敏樹という男をなめていたということですね。ジェットマンシャンゼリオンはリアルタイムでは見ていませんが、アギト、555、キバ、それにゴウライガンと、彼がメインライターを務めた作品は大方見てきてそのやり口を知り尽くしたとまでは言わずとも大部分は知ったつもりになっていたのですが、その浅はかさをこの30分で思い知らされました。考えてみれば仮面ライダーには基本的にシリアスでなければならないという作劇上の枷がありましたが、それがないスーパー戦隊に彼が戻ってきた以上、こうなることは予想できたはず…いや、さすがにここまでとはどのみち予想できなかったな。

 

 しかしまぁ、こっちが理解するのを端から期待してないような感じでしたが、それでもやっぱりこれぞ井上敏樹、という要素は最初から盛り沢山でしたね。初回から全員揃わないばかりか互いが誰かも知らない戦隊、ヒーローと敵組織が一対一ではなく脳人とヒトツ鬼という二つの敵が存在する複雑なことになりそうな敵対関係、基本的にはハチャメチャだけど脳人にやられたヒトツ鬼は消える(実質的な死)というシビアな設定。主人公であるタロウとは別に、イエローであるはるかが狂言回しの役回りを果たしそうなところも、ゴウライガンと似たところを感じさせますね。まぁ一番井上敏樹を感じたのは、やたら芝居がかったセリフを言うソノイでしたが。昔だったら絶対広瀬匠さんが演じてますよあいつ。その言動に「詩人か?」と直球のツッコミを入れるのは初めてでしたけど。そしてなにより気になるのが、「五色田介人」。ゼンカイジャーの介人とは別人だと公式で明言されてる以上は別人なんでしょうけど、全くの新キャラではなくあえて「五色田介人」であることには必ず何らかの意味があるはずで、そのカギを握っているのが井上敏樹というのがほんとに怖い。まぁ、見てしまった以上は向こうの言い分によれば縁ができちまったということらしいので、また一年間見届けましょう。ただの「めでたしめでたし」で終わるわけはないんですが。