BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンデッカー 第9話感想

 街をパトロールしていたカナタは、一人の少女から声をかけられる。カナタがデッカーであることを知っているうえに、バラされたくなければ自分の父親と勝負してほしいと要求する少女。彼女の父は宇宙最強の格闘チャンピオン・グレースだと言うのだが…。

 

 ダイナ本編にも登場し、侵略目的ではなく純粋にダイナとの勝負を求めてやってきた宇宙人として印象的だったグレゴール人が、デッカーにも登場。ダイナに登場したグレゴール人は、まずデモンストレーションとしてニセダイナに変身して自らが用意した怪獣と戦い、ダイナとの戦いではダイナに声援を送る人々に苛立ってビームで攻撃し、その声援によって奮起したダイナに敗北を喫して、その強さの秘密は多くの仲間たちがいることにあると理解し、潔く敗北を認め宇宙へと去っていく、というキャラクターでした。これに対して今回のグレースは、ウルトラマン(本来の目当てはデッカーではなくトリガーでしたが)との対戦で名を挙げるためにやってきたというところまでは同じですが、脅して試合を強制するようなやり方をしてはダメだと娘に諭す、突如現れたレッドキングから街を守るために変身して戦い、街の人々から声援を送られる、GUTS-SELECTのチームワークを見て対戦相手に相応しいと考え試合を申し込む、試合中に乱入してきたスフィアレッドキングを倒すためにGUTS-SELECTに勝ちを譲り、スフィアレッドキングを羽交い絞めにして自分諸共撃てと訴える…と、侵略者ではないが自分本位な言動の目立ったダイナのグレゴール人と比べると、強さだけでなく品格も兼ね備えた、宇宙の格闘チャンピオンに相応しい風格をもった人物として描かれていましたね。スーツの傷み具合から見て、おそらくスーツはダイナのグレゴール人そのものと思われますが、それもまた、長年の無理が祟って体に限界が近づきつつある引退間近のレスラー、という今回のキャラクターに説得力を与えていましたね。ダイナとの戦いで格闘家としての真の強さの何たるかを学んだグレゴール人が、ウルトラマンとのリベンジマッチのために再びやってきた。見ようによってはそんな風にも受け止められるような回でした。