BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンデッカー 最終回 感想

 ついに訪れたマザースフィアザウルスとの最終決戦。ウルトラマンの最終回の定番ともなった、仲間への正体告白からの文字通りの総力戦でしたが、トリガーも最終決戦に参加しながらもエタニティコアの力を吸収してカナタに渡すことで変身を可能にする、という重要ながらも出しゃばりすぎない役回りにしたのはよかったですね。アガムスによって一度は敵に回ったテラフェイザーも、再びハネジローが搭乗することによってもとの地球防衛兵器としての務めを最も重要な局面で果たすことができたのは何よりです。そして、ほかならぬマザースフィアザウルス自身の口からスフィアの目的が明らかにされましたけど…争いやら格差やらをなくすために全てを自らと一つにしようって、本質的にはウルトラマングレートのゴーデスと同じじゃないですか。スフィアがそんな究極の進歩否定主義者なら、物語の最初から一貫して前に進み続ける存在として描かれてきたカナタたちの敵であることは当然であり、そしてまた、彼らの前に敗れ去る運命は必定だったということでしょうね。

 

 さて、これでデッカーの物語もひとまず幕となったわけですが、シリーズを通して見てもなかなかユニークな作品だったと言えるでしょうね。スフィアによって宇宙との行き来を断たれた地球、というある種コロナ禍以来の我々の置かれた状況を反映したような世界において、それでもその状況を打破しようとひたすら前に進もうとするカナタたちの姿は、まさに今の時代に示すべきヒーロー像だったと思います。ピット星人やグレゴール人のエピソードのように、侵略者ではない宇宙人が登場するエピソードもなかなかユニークでしたし。残すは劇場版。どんな物語を最後に見せてくれるか、楽しみです。