チキューには、こんな予言がある。「2000年の時を経て地底から"バグナラク"が蘇り、人類を滅亡させる」と。そんな予言の年を迎えた今、きたる敵に立ち向かうべく、始まりの国「シュゴッダム」で5つの国の王様が同盟を結ぼうとしていた。一方その頃、シュゴッダムの孤児院では青年ギラが子供たちを相手に元気よく悪役を演じていたが…。
今年もまた新たなスーパー戦隊が始まる季節になりました。ゼンカイジャー、ドンブラザーズと、既存のスーパー戦隊どころかヒーロー番組としての常識まで破壊するような番組が立て続き、さて、そこからどうするか、と思いながらこの日を迎えたわけですが、ふたを開けてみれば王様戦隊というだけにというわけではありませんが、ものすごく「王道」でしたね。ほとんど何が起きてるのかわからないまま進んでたドンブラザーズの第1話と比べると、普通に敵が出てきて普通にスーパー戦隊が迎え撃つという展開のなんとありがたいことか(完全にドンブラに頭やられてますね)。一方で、事前の情報でなぜギラだけは「自称」王様なのかと思っていたら、本物の王様は別にいるけれどこれがとんでもない悪党で、その悪党ぶりを知ったギラが「お前が正義なら、俺は悪だ!!」と人造人間ハカイダーばりの口上で「邪悪の王」を名乗り反旗を翻すという、主人公の出自に関しては王道から外してくるのがまた燃えますね。その後の戦闘シーン、特に巨大ロボ戦も、第1話ということを含めてもとんでもなく豪華なものでした。巻き起こる爆風で建物の屋根の瓦の一つ一つが吹き飛び、敵に押されたキングオージャーが足を踏ん張って耐えれば石畳がめくれ上がる、といった具合の丁寧な描写は昭和の東宝怪獣映画並みのハイクオリティでした。放送終了後にTwitterのトレンドに「予算大丈夫」が上がっていた通り、今後どこまでこの豪華さが維持されるかはわかりませんが。そもそもチキューという異世界が舞台のようで、異世界を舞台にするというのは星々を旅して回るキュウレンジャーのような近い事例はあるもののスーパー戦隊ではこれが初めてなので、どうなっていくのかが楽しみですね。