BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ24

 子供の頃大也の通っていた学童保育施設を訪ねるブンブンジャー。子供たちのためにギターを弾きながら「にじ」という歌を歌い始める大也。その歌は子供の頃一人でいることが多かった大也の心を開き、彼の初恋の人だったまひろ先生が歌っていた歌だという。そこへハシリヤンのアコギグルマーが施設を襲い、その攻撃から子供たちをかばった大也と先斗は眠ってしまうが…。

 

 大也の初恋の先生にまつわる、ちょっとほろ苦いエピソード。いつもは絵に描いたようなヒーローである大也ですが、彼が主役となるとこういう秘められた人間らしい一面が明らかになるのがいいですね。流しのギター弾きみたいな苦魔獣らしいふざけた見た目でありながら、ギターの音で人を眠らせ偽物の過去の夢の中に捕えてしまうというえげつない精神攻撃をしてくるアコギグルマー。先斗は自力で目覚めたものの、大也は仲間たちがいろいろやってもなかなか目覚めない。そんな彼を目覚めさせたのが、仲間たちと子供たちの歌う「にじ」の歌。かつてまひろ先生が言ってくれた「自分と違う色を持った人が一緒だと、世界はカラフルでもっともっと面白くなるよ」という言葉を思い出した大也は偽物の夢から脱出し仲間たちと共にアコギグルマーを撃破。続く巨大戦ではギターを弾いて赤信号を出現させ身動きを取れなくしてくるという理屈のわからない攻撃に対して、ブンブンジャーロボ119に合体して「緊急車両は赤信号でも通行できる」という交通法規に則った理詰めのやり方で撃破するのがよかったですね。

 

 戦いが終わり子供たちも家に帰った施設の庭で「にじ」を一人弾き語りする大也。そこに仲間たちも集まり、一緒に歌い始める。まひろ先生のその後を「遠くに行ってしまった」という言葉であえてぼかし、彼女が大也に伝えた言葉の通り彼が集めた違う色を持った仲間たちと共に歌う姿、その象徴のような5色のバラのブーケで映して終えるのは、抒情的で美しい終わり方でしたね。ブンブンジャーは基本トンチキでありながらもこういうきれいな終わり方をする話がたまにあるのも魅力です。