BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンアーク 第7話 感想

 最高気温47℃という異常な暑さに見舞われる星元市。街中で異臭と共に熱水が道路から噴き出す間欠泉のような異常が発生したという通報を受けSKIPは調査に乗り出すが、ユウマの前に彼にしか見えない謎の少女が現れ警告を発する。その直後、地底から灼熱怪獣ホムガーが出現し…。

 

 かつてウルトラマンダイナの「発熱怪獣3000度」では超高熱怪獣ソドムのせいでグランドームの中の気温が36.5℃にまで達し、さしものスーパーGUTSの隊員たちもへばってしまう…という描写がありましたが、あれから時が流れ、現実ではもはや怪獣などいなくとも30℃代後半に達する猛暑に喘ぐ日々がざらになってしまいました。そんなわけで怪獣を原因とする異常な猛暑は45℃というもっとイカレた数字にならざるを得なかったんでしょうが、このまま温暖化が進んでこれすら日常になってしまったらどうしましょう…。

 

 まぁそれはともかく、その異常な熱波の原因だった怪獣ホムガーと、その出現と前後してユウマの前に現れる謎の少女が今回の話の中心。真相を言ってしまうとホムガーが現れたのは出産のためであり、謎の少女の正体はホムガーと共にある精霊で、お産を控えたホムガーに手出しをしないように人間に警告をするために現れたのでした。とまぁ、こう書いてしまうと非常に簡単な話なのですが…まず問題なのはこの精霊、ものすごくコミュニケーションが下手。ユウマにしか見えないのはまぁそういうものだとして仕方ないにしても、「これからお産をするんです」と言えばいいだけの話を、「あなたは何もわかっていない」だの「怪獣をデータでしか見ていないから怪獣の声を聞いていない」だの、やたらと肝心なところを避けて通るような持って回った言い方しかしない。と言うより、普通に感じが悪いです。そもそもホムガーの出産というのが単なる出産ではなく、自らの命を引き換えに街一つ吹き飛ばすような大爆発を起こし、そのエネルギーを子供に与えて命をつなぐ、というはた迷惑なもの。まぁこれもそういう生き物なんだから仕方ないにしても、何も街のど真ん中を出産の場所に選ばなくたっていいでしょう。この精霊、ホムガーが人間と共存するために存在していると自称していますが、だったらもっと人命に被害の出ない場所でお産をするようホムガーに働きかけてくれたっていいものを、一方的に自分たちの都合を人間に押し付けるようなことしか言いません。もしかするとホムガーと一緒にいるだけで、ホムガーにああしろこうしろと指図できるような力はないんじゃないでしょうか、この精霊。小美人を見習え。そもそもこの厄介な生態を抜きにしても、どこを見てるんだかわからないギョロ目、全身から飛び出す棘、虎みたいな見た目さながらのネコ科の肉食獣のような攻撃性、口から吐く炎、ガスタンクからガスを吸収…と、見た目から何からとてもじゃないが人間と平和的に共存できるような生き物とは思えないのですが。

 

 ホムガーも精霊もそんな困った奴ですが、そんな困った奴らでも無下にはしないのがウルトラマンの偉いところ。大爆発が迫る中、アークは新たな力、ルーナアーマーを誕生させ、巨大な竜巻状のバリアを展開。爆発をバリアの中に閉じ込めることで被害を最小限に抑え、ホムガーの出産も成功させたのでした。遠い未来にまたホムガーが出産を行う時に備えしっかりと記録を残すことを決意したSKIPの面々ですが、次の時にはホムガーにも精霊にももう少し人間の都合を考えてほしいものですね…。