異世界から落下してきた青年、ショウマ。海岸に漂着していたところを始少年に拾われ、彼からもらったお菓子を食べると…。
今年も始まりました、令和6作目となる新たなライダー、仮面ライダーガヴ。第1話はパイロット版として文句のつけどころのない出来でしたね。異世界から落ちてきた謎の青年。拾ってくれた少年との交流を通して、トラックと激突しても平気だったり、お菓子を食べるとゴチゾウと呼ばれる眷属を生み出したりと、人間ではないことをわかりやすくアピール(回想シーンではさらに人間の母とグラニュートとの間に生まれたハーフであるらしいことも描写)。一方街では人間に化けた怪人・グラニュートが「幸せそうな人間」を捕獲しては何者かに引き渡し、その対価として「闇菓子」と呼ばれているものを受け取っている描写。どうやら闇菓子は人間を材料として作られているらしく、キバのファンガイア以来久しぶりに間接的ながら捕食目的で人間を襲う怪人の登場となり、お菓子というポップなアイコンとは裏腹に、ダークでハードな要素が隠されている匂いがプンプンしますね。グラニュートとの初戦闘では変身するまでの間に念入りにショウマがボコボコにされる様子が描かれましたが、流血しながらも鋭くグラニュートを睨むショウマの目つきが第1話とは思えないぐらい覚悟の決まった良い目つきで、1年を通して役者もどう成長するかを見守るのもライダーの醍醐味ですが、ショウマを演じる知念英和さんは例年以上にそれが楽しみな逸材ではないかと感じました。変身からの戦闘シーンは本作の特色であるゴチゾウを活用した戦い方が目玉ですが、ケミーを大事に扱っていた前回と違って、ゴチゾウは生み出されては消費される扱い(眷属なのでゴチゾウにとってはそうされることが本望のようですが)という対極ぶりが、前例にこだわらず毎年毎年革新を続ける仮面ライダーらしいですね。秘密基地にショウマが残して去った置手紙を、証拠隠滅のために泣きながら破り捨てる始少年のシーンも、ジュブナイルの終わり方として完璧でした。こうして母の故郷である世界で第一歩を踏み出したショウマ。早速また行き倒れていましたが…。