BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンアーク 第11話 感想

 アークとオカグビラとの交戦中に、突如虚空から現れた謎の機械巨像ギヴァス。アークとオカグビラ双方に攻撃を行ったかと思えば、オカグビラに襲われそうになった子供を守るかのような行動も見せるギヴァス。ユウマはその意図を探ろうとするが…。

 

 ついにアークにもロボット怪獣の登場です。ウルトラシリーズのロボット怪獣と言えば、キングジョー、インペライザー、ギャラクトロンといった過去の例からも言える通り強敵と相場が決まっており、かつ物語の上でも転機となる存在であることも多い、非常に重要な存在と言えましょう。さて、アークとオカグビラの光線中に、いきなり空に開いたワームホールの中から紫色の光とともに降臨したギヴァス。もうこの登場の仕方の時点でギャラクトロンを彷彿とさせてろくな奴じゃなさそうなんですが、登場して早々にアークとオカグビラと交戦を開始。左腕のスコップのような形状のクローは敵の攻撃をコピーする特徴があるらしく、オカグビラのドリル攻撃を回転するビームブレードに、アークの光輪をほぼそのままにといった具合にコピーして攻撃。さらにリボーンズガンダムの如く上半身を回転してモードチェンジする機能を備え、背中にくっついている巨大なアンカーを射出してアークを拘束するなど、ロボット怪獣らしい多彩なギミックで戦闘を優位に展開。かと思えば、オカグビラに襲われそうになった子供を守るかのようにその前に立ちふさがるなど、不可解な行動を見せるギヴァス。

 

 その後活動を停止し、ただ「ギヴァス」という謎の言葉と謎のメロディーを発するだけとなったギヴァス。ギヴァスに意思がある可能性を推測したユウマは仲間たちと共に、メッセージと思しき謎のメロディーを解析することに。肝心の「ギヴァス」の意味だけが最後までわからず難渋しましたが、リンからその言語は母星の太陽の数が影響している可能性があると聞かされたユピーが、「ギヴァスの星には太陽がないのではないか?」と推測。ユピー曰く、そうした星の文明では太陽の代わりに月がその役割を果たすことが多い、とのことでしたが、この世界ではそうした文明の存在がいくつか確認されているのでしょうか。それに太陽がないからといってその代わりに月のような衛星がどの星にもあるとは限らないし、そもそも太陽の照らさない星には文明どころか生命が発生する可能性すら低いのではないかと思うのですが。いろいろと疑問はありますが、その結果解読された「ギヴァス」の意味は「道を妨げるもの」。そしてそれをさらに「敵」と解釈した場合、メッセージの内容は「この星に私の敵はいるか」「私はお前の敵になりに来た」となるのですが…。「道を妨げるもの」というあいまいな言葉を「敵」と解釈するのはいささか短絡的ではないでしょうか。さらにリンたちはそのメッセージの内容から侵略が目的ではないかと解釈しましたが、仮に「敵」という解釈が正しくても侵略というよりは道場破りみたいな、「敵と戦うこと」そのものが目的のように思えます。そもそも侵略目的なら現れてすぐに攻撃を始めるのが当然なのに、先の戦闘ではオカグビラやアークの攻撃を受けた後に攻撃を開始しており、自発的な攻撃行動は見せていない。どうもこのメッセージの解釈は、ミスリードの匂いがプンプンしますが…。

 

 とにもかくにもこの事実が判明した直後、石堂さんも防衛隊がギヴァスの行動を敵対行為と判断し攻撃を決定したことを説明。ギヴァスとの意思疎通にこだわるユウマは「やっぱり石堂さんは防衛隊の人なんだ」と、心無い言葉を浴びせてしまう。確かにメッセージの解釈に問題があるのは事実ですが、防衛隊としては敵か味方かわからない相手をいつまでも放置しておくわけにはいかないし、人命尊重を最優先に考えるなら最悪の可能性を考慮して対応しなければならないのは当然のこと。そしてそれに関しては、SKIPも同じであるはずなのですが…。一触即発の状況下に置かれた星元市。はたして、ギヴァスのメッセージの真に意味するところとは…。