ビターガヴを生み出していたのが酸賀だった事実をついに知った絆斗。そこから逃げ出して倒れていたところをショウマと幸果に発見されデンテのもとに担ぎ込まれるが、代わりに単身酸賀のところに乗り込んだショウマが捕まってしまう。ショウマを人質に絆斗を呼び出した酸賀は、新たなバスターとゴチゾウを取り出し…。
登場人物たちの中でも最も底の知れない男・酸賀。その本性の一端が明らかになった回。絆斗が逃げ出した理由を、普通ならビターガヴを作っていたことがバレたからととらえるところを「怖気づいた」と解釈するあたりからして、既にまともな人間の感性をしていないのは明らかですね。ショウマを人質に取り絆斗を呼び出して、ついに自ら仮面ライダーベイクへと変身(この時の「なんだっけ? ああそうそう、変身」というぞんざいな「変身」の言い方も実にムカつく)。ショウマを相手にその性能を確かめるために容赦なく攻撃を加え、これまでに少なくとも8人もの人命を自らの研究のために犠牲にしてきたことを明らかにする、という具合に最悪のムーブを次から次へと繰り出します。たぶん、犠牲になった人間に対して「感謝している」というのは間違いないんでしょう。感謝はしているけど人命を自分の研究のための犠牲にすることに対してのためらいや罪悪感は一切なさそうなのがマジでイカレてますね。エボルト以来久しぶりに本当の「どす黒い悪」って奴を目の当たりにした気がします。終いには絆斗がヴァレンの力を求めるようにニエルブに依頼して師匠を殺害したことまで暴露。これについては絆斗が気づいていなかったことに驚いていましたけど、気づいてたらここまで関係続けるわけがないでしょうに。普通の人間とはかけ離れた情動があちこち見られるのが本当に不気味です。変身解除後自分の腕が負荷でボロボロになっているのを見てもまるで他人事のようなリアクションをしていましたけど、そんなあらゆる点で真剣味や執着を感じさせない男が唯一、絆斗に対してだけはなんとしても自分のもとに留め置きたいと行動してるのが気になりますね。単に実験体が欲しいだけならビターガヴでも事足りそうなものを、そこまで絆斗にこだわる理由は何なのか…。