BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ウルトラマンオメガ 第1話 感想

 倉庫で働く青年ホシミ コウセイは、自分の昼食だった焼きそばを堂々と盗み食いしていた、記憶喪失らしき謎の青年と出会う。折しも街では建設中のビルが突如崩壊する謎の事故が起きており、突然の地震に飛び出した謎の青年とコウセイの目の前に、それまで人類の目の前に姿を現したことのなかった巨大な怪物、「怪獣」が出現する…。

 

 今年も新たなウルトラヒーローの物語が始まりました。全身真っ赤な姿が印象的な新たなウルトラマンウルトラマンオメガの登場です。ウルトラマン自身が過去の記憶を失っており、かつ、作中世界のフィクションにおいてさえ「怪獣」というものが存在しなかった世界が舞台という特異な設定で、いわば人類はウルトラマンに対しても怪獣に対しても、一からその向き合い方を構築していかなければならないという、非常に実験的な試みですね。ウルトラシリーズにおける特撮的な見せ場というのは、まず人間(防衛チームや防衛軍)が怪獣と戦い、それでもダメとなったときにウルトラマンが現れて怪獣と戦うというのがセオリーですが、怪獣が現れたことのない世界では当然防衛チームや防衛軍は存在しないので特撮的な見せ場は後者に限定され、そのぶん純粋なドラマの部分で見せる必要が出てきます。そういう意味において今回は直近のブレーザーやアークと比べると第1話としては地味ではありましたが、記憶喪失の青年を放っておけなかったり、避難所で母親とはぐれて泣いていた女の子を気遣ったりするコウセイの姿を通して、人間には本来的な「優しさ」というものがあることを示し、自分の名前も過去も忘れていた青年がその「優しさ」を持つ人を守るためにウルトラマンに変身して怪獣に立ち向かっていく、という展開はウルトラマン、というよりヒーローにとって大事なことは強さよりもまず「優しさ」なのだという、ヒーローを描くうえで一番根源的なところを描くところから始めたのは、非常に好感が持てましたね。

 

 赤い巨人へと変身した謎の青年と対峙するのは、この世界の人類の前に初めて姿を現した怪獣、グライム。両腕に備えた巨大な爪で地中を掘り進み、鼻先から伸びるドリル状の角の先端からは硬い岩盤をも溶解させる熱線を発射する、という地底怪獣のお手本のような怪獣であり、地底怪獣らしくパワーにも優れ一時は赤い巨人の下半身を地面にめり込ませるほどの力を見せましたが、空を飛ぶ鳥を見て「飛び方」を思い出した赤い巨人は飛行してそこから脱出。飛行によってグライムを翻弄し、頭のスラッガーを飛ばしてグライムの角を切断して最大の武器である熱線を封じ、最後は手に持ったスラッガーを一閃、グライムを倒したのでした。そして人間の姿に戻った赤い巨人は、思い出した自らの名をコウセイに告げるのでした。「オメガ」と。果たして、オメガは何者なのか。彼の登場と機を一にするように怪獣が現れ始めたのは何ゆえか。コウセイたち作中世界の登場人物と同じように、謎だらけの物語が幕を開けました。