世界中で頻発する怪獣災害に対抗するため、怪特隊を超える国際的組織の発足へと動き始める人類。一方、ゾヴァラスが発していたものによく似た謎の信号をキャッチしたソラトとコウセイは、その調査の中でソラト自身の過去に関わる驚くべき真実を知ることになる…。
主人公でありながら彼自身が作品最大の謎であったソラト=オメガでしたが、ついにその謎の核心に迫る回。そのカギを握る存在として登場する、かつて記憶を失ったソラトを最初に助けた人物であるアーデルを演じるのは、平成ガメラシリーズや牙狼で特撮ファンにはおなじみの螢雪次朗氏。その正体は、かつて地球侵略を企みオメガと戦った結果滅びたゲネス人の中でも、その侵略に異を唱えていた穏健派の科学者。彼の言葉によれば、現在の地球は彼が「目覚めの刻」と呼ぶ、生命や文明が存在する星で数千年に一度発生する怪獣の大量出現期にあり、かつてゲネス星も同じ現象に見舞われ、ゲネス人は徹底的に怪獣と戦う道を選んだ結果、母星を人も怪獣も住めない死の星へと変えてしまった。その結果ゲネス人は宇宙を放浪した末地球侵略に乗り出すことになったが、その前に立ちはだかる存在があった。それが「宇宙観測隊」。詳細は不明ながらも、文明の発生から滅亡までのあらゆる記録を取り、それをもとに未来永劫続く完全なる平和を築くことを目的として全宇宙で活動する組織であり、ゲネス人の前に現れたのはそのメンバーである宇宙観測員の一人、オメガだった。その結果オメガとゲネス人は交戦。ゲネス人は滅び、オメガも記憶を失った状態で地球に落下した、というのが、第1話に至るまでの真相だったわけで、唯一の生き残りだったアーデルも不毛な復讐は選ばず、地球人として生きていくオメガを見守る選択を取ったのですが…。
ここで問題なのは、活動目的はM78ワールドの光の国、宇宙警備隊とよく似ているものの、宇宙観測隊が異なるのはその名が示す通り彼らの目的は「観測」であり、彼らが武力を行使するのは文明の観測の妨げとなる外部からの干渉、すなわち宇宙人の侵略や宇宙怪獣の侵略といったケースに限定され、星の住人同士の戦争はもちろん、土着の怪獣が星の住人を襲った場合ですら彼らを助けてはならないという不干渉の立場を取ることが原則であるということ。彼らがゲネス星の「目覚めの刻」に介入せずゲネス星が滅び、そしてゲネス人が地球の観測を妨げる外敵として滅ぼされたのもこの原則故だったわけですが、記憶を失っていたとはいえソラト=オメガは地球人を怪獣から守り、地球人から「ウルトラマンオメガ」として認知されるまでに至ってしまった。自分たちは見捨てられたのに地球人は守られているというこの状況にルサンチマンを募らせたアーデルは、ゲネス人がそうであったように地球人も自らの選択の末に滅びるべきであり、観測隊員は本来の不干渉の存在に戻るべきではないか。そう訴えるためにアーデルはソラトとコウセイを誘い出してこれらの真相を語ったわけですが…記憶を失った状態のソラトが、世話になった地球人が怪獣に襲われてるのも見て助けようとしたのは当然の結果であり、それが嫌ならソラトを保護した時点で全てを説明して観測員としての使命を思い出させるべきだったでしょう。それ以前に「俺たちも滅んだのだからお前たちも滅べ」というのはあまりにも暴論であり、とても「はいそうですか」と受け入れられるものではないでしょう。要はメフィラス星人と同じで「お前は宇宙人なのか、人間なのか」とソラトに問うているわけで、だったら返答は決まっていますよね。