BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

いつから「今日が何日か」を気にするようになったのか?

 今日の朝、いつものように会社の最寄りの地下鉄の駅で降りたときのこと。黄色い帽子をかぶった小学校低学年ぐらいの男の子が、父親の後を歩きながら言いました。「今日って12月10日だよね?」

 彼にとって今日が12月10日であることがどういう意味を持つのか、そのあとの会話は聞いていないのでわかりません。ですが、この一言を聞いて私はハッとなりました。自分はいつからあの子のように「今日が何日か」というのを気にするようになったんだろう、と。

 私には今3歳の甥っ子がいます。最近いろいろしゃべるようになってきましたが、まだ日付どころか数さえ数えられません。おそらく甥っ子の頭には、まだ日付や曜日どころか時間の概念さえないのでしょう。うちに遊びに来るたびに、時間などお構いなしに全力で跳んだり跳ねたりしています。とてもうらやましく思えます。

 あの小学生の男の子の一言を聞いてハッとなったのは、いつか甥っ子も、同じように今日が何日か、何曜日かということを気にするようになるだろうということに、一抹の寂しさを覚えたからかもしれません。人の成長にはいくつもの段階がありますが、「時間」というものを意識するようになることは、その中でもかなり大きな変化なのではないでしょうか。今が何時か、今日は何日か。人は時間という概念を意識することなしに集団としての行動をとることはできないのですから、これは極めて重要なことです。一方で、時間という概念を意識することは、否応なしに社会の枠組みの中に組み込まれることでもある。人は生きていく以上いつまでも子供のままではいられないとはいえ、時間など意識することなく好きなだけ遊んでいる甥の姿がいつかは失われるというのは寂しいことです。願わくば、甥が大きくなるころには今の我々ほどに「今日が何日か?」「今何時か?」を絶えず気にするような世の中ではなくなっていればよいのですが。