BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ21

 大也の屋敷の使っていない部屋の掃除中、彼が子供の頃に描いた絵を見つけるブンブン。そこには消防士になる夢が描かれていた。一方、錠は頻発する不審火がハシリヤンによる仕業ではないかと睨んだ調からの指示を受けて調査を開始するが…。

 

 大也の子供の頃の夢について聞き出そうとしてダル絡みをした結果、気まずい雰囲気になってしまうブンブン。ビュンディーとの過去についてやたら引きずりがちなとこといい、もしかしてこいつ意外とめんどくさい奴なんじゃないかという疑惑が強まりつつありますね。一方、謎の連続不審火について調査するも手詰まりの錠の前に、何の脈絡もなく金田一スタイルで現れる玄蕃改めアメ玉探偵。トッキュウジャーのけん玉探偵に続くトンチキ探偵の誕生です。まぁあの格好、金田一というよりはどっかの俳人気取りのニートを思い出すのですが。これまでの不審火の現場を聞き込みに回り、住人が「カジ」という言葉を口にしたら火が出たことを確認。さらにサンシーターが昔懐かしい消防署詐欺のやり口であちこちにインチキ消火器を配り、その消火器が火元であることを突き止め、まさに火事になりそうなところを間一髪で防ぐことに成功。にしても、「消防署の方から来ました」って、この手の詐欺の定番の文句ですけど、こいつらの場合消防署から来た奴じゃないのは見た目でバレバレでしょうに。

 

 ブンブンジャーは手分けしてインチキ消火器の回収に走り回り、その全てを回収することに成功。街中で火事を起こすことを画策していた苦魔獣ショウカキグルマーとの戦闘になりますが、ブンブンジャーのスーツの耐熱限界をも超える高熱の炎を噴き出すショウカキグルマーの前に大苦戦。しかしそこへみんなの頑張りに奮起したブンブンが大急ぎで作り上げた新ガジェット、ズンズンショウカブラスターを携えたブンブンが到着。これを使用したブンレッドはブンレッド119へとパワーアップし、圧倒的な攻撃でショウカキグルマーの火炎攻撃を封じ、見事な零距離射撃でトドメを刺したのでした。最後はアメ玉探偵が古畑演出でいい感じに締めましたが、結局なんだったんだアメ玉探偵…。

仮面ライダーガッチャード 第45話感想

 マルガムによって連れ去られてしまった聖。宝太郎は加治木を励まし、ともに彼女の救出へと向かうが…。

 

 これまで何度も記憶を消されようとも、その度にガッチャードが宝太郎だと知らなくても「頑張れ、仮面ライダー!!」と応援の声を送ってきたことからもわかるとおり、加治木という奴は本当にいい奴で男気溢れる男なんですが、ついにそれが最高潮に達したと言える回ですね。生身でマルガムに踏みつけられようが電撃を浴びせられようが(苦しんではいるものの耐え抜いてしまうあたり、ほんとなんなんだこいつ…)諦めず、心からの言葉で絶望の淵にあった聖を憎しみから解き放ち救ったのですから、今回は彼こそが真のヒーローだったと言えるでしょう。心の強さだけでいえば、彼だって仮面ライダーになれる資質は十分以上に持ち合わせているでしょうね。

 

 そんな加治木と、彼と共に楽しい思い出も辛い思い出も抱えて生きていくと毅然として言った聖を見て、初めて記憶操作をすることをやめたミナト先生。かねてから宝太郎の掲げる未来に希望を抱いていた彼ですが、それが現実のものとなれる可能性の一端を示した今回の一件が、彼をまた一歩前に進ませたようですね。鏡花さんの進めるラケシス人間化計画も、彼女が自分のモデルとなった人間の記憶を取り戻したことでこちらもさらに前進。こうしてそれぞれが着実に前へと足を進める一方、ガエリヤは人々の悪意を利用した計画を進めているようで…こいつだけゼロワンに出てきそうな悪役ですね。

ウルトラマンアーク 第3話 感想

 時は数ヶ月前に遡り、ユウマのSKIP初出勤の日。両親を失った16年前の「K-DAY」の記憶を思い出しながら初の任務にあたるユウマ。そこに16年前に遭遇したものと酷似した怪獣、ディゲロスが出現し…。

 

 ユウマがウルトラマンアークに初変身した時のことが描かれる、実質的な第1話とも言える話。しかし設定としては知ってはいましたが、16年前に怪獣によって両親を失ったというユウマの過去、思っていた以上に重いですね。そんなつらい経験をしたにもかかわらず、父の遺した「走れ、ユウマ」という言葉を胸に、自分のような人間を出さないためにも怪獣被害から人々を守る仕事につくとは。そういう人間だからこそ、ウルトラマンになれるのだとも言えるのでしょうけれど。

 

 16年前に現れた怪獣、モノゲロスと酷似した怪獣、ディゲロス。その名の通り一本角のモノゲロスに対して二本角なのが特徴で、そのうち三本角のトリゲロスとか出てきてもおかしくなさそうですね。二本の角、目鼻口がなく顔面の中央には不気味な発光体があるだけ(と思いきや、実は側頭部に目が合っていきなりギョロリと開くのがまた不気味でしたが)、とゼットンを彷彿とさせる怪獣ですが、角、肩、両腕から光線を放って街に甚大な被害をもたらしたり、ゼットンのそれにそっくりな光波バリアを張って攻撃を防いだりと、戦闘能力までゼットンめいていて実質第1話に出していいような怪獣ではありませんでしたね。アークへの初変身ですが、目元がミラーマンっぽいとは思ってましたが、鏡の中の世界でアークアライザーとアークキューブを渡されるとは…。バリアを張るディゲロスに対して、曲がる必殺光線で撃破するというのは最初からとんちを効かせて戦うウルトラマンだったんだなと思いました。それにしてもユウマの記憶では、異空間からモノゲロスとルティオンが戦いながら現れたように見えましたが…。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ20

 とある店で自分を置いて去って行ってしまった恋人について愚痴を垂れる男。そう、第1話で未来にフラれた男である。彼に目を付けたキャノンボーグは、苦魔獣を操作できるハンドルを彼に与えるが…。

 

 第1話で未来にフラれた男、まさかまさかの再登場。まぁ第1話を見る限りではあのフラれ方じゃ愚痴の一つもこぼしたくなるだろうなとは思いますが、実はこの男の方にも未来の一面しか知らないし束縛したがるという問題点があって、それを相手をお椀の中に閉じ込めるオワングルマーというかたちで表現してくるのは秀逸でしたね。

 

 しかし視聴者も知っての通り、流されやすいどころかブンブンジャーで最も自由なのが志布戸未来という女。今回もお椀に閉じ込められても適温の味噌汁に浸かってリラックス。かと思ったらいきなりそんなことしてる場合じゃないことに気づいてお椀の中で大暴れ。外の仲間たちの協力(内外の気圧差で開けにくいお椀の開け方をわざわざ旅館の朝のイメージ映像まで出して解説する謎の丁寧さ)で脱出すると、その怒りのままに怒涛の攻撃でオワングルマーを撃破してしまうのでした。こんな女のハンドルなんか、誰にだって握ることなんかできないでしょう。結局未来が元カレとは一度も顔を合わせることなく終わったのも、彼女らしいカラッとした終わり方でしたね。

仮面ライダーガッチャード 第44話感想

 聖から別れをほのめかすメールを受け取り嘆き悲しんでいたところで、ホッパー1とニジゴンを見て今までの消された記憶がよみがえりパニクる加治木。再びミナト先生が記憶を消して事なきを得たものの、先生の話ではこれ以上の記憶操作は危険というところまで来てしまっているようだが…。

 

 これまで視聴者も薄々思っていたであろう、加治木の記憶こんなに何度も消して大丈夫なのかという問題。ギャグとしてなあなあで済ましてしまってもおかしくないはずなのに、ほんとに番組の中でまともに向き合うことになるとは思ってませんでした。結論として、全然大丈夫じゃなかったというのは加治木には悪いですが笑うしかありませんでしたけど。まぁ錬金術の長い歴史の中でも、同じ相手にこんなに何度も何度も記憶操作をかけることなんてなかったでしょう。何度記憶を消しても向こうからケミーのいるとこに現れてしまうあいつがおかしいんですけど。今回も自分の頭がヤバいことになってるのに相変わらず戦闘中にフラフラ出てくるし。で、結局錬金アカデミーに運び込んで全部説明することに。加治木の性格から言って宝太郎が秘密にしてくれと頼まれれば黙っててくれる奴ですし、最初からこうした方がよかったのでは…。

ウルトラマンアーク 第2話 感想

 防衛隊から派遣された石堂が正式に調査員として着任したSKIP。そんな時、一人の少年からマンションを建設するために行われている工事を止めさせてほしいという訴えが届く。少年の話では、工事現場の地下にはかつて土地に害をなし村人たちによって封印された怪獣が眠っているということだったが…。

 

 怪獣伝説の残る土地で開発工事が行われ、眠っていた怪獣が目を覚ましてしまう。ウルトラシリーズでは何度となく作られてきたパターンの話で、前作のドルゴもこれに該当しましたが、これまでのパターンと違って少年に怪獣の話をしたのは工事責任者である彼の父親であり、彼も息子の話を頭ごなしに否定しているわけではないところが新しかったですね。何より問題のマンション建設も、怪獣災害によって家を失った人たちの生活再建のための急務であるというのっぴきならない事情が語られたことが、利益目的の開発が怪獣を目覚めさせていたこれまでのこの手の話とは大きく異なりましたね。昭和第2期ウルトラシリーズと重なる70年代は公害問題が最も深刻だった時代であり、それ以降環境破壊や環境汚染につながるものとして、それ以降とにかく悪とされる傾向が続いてきましたが、今や気候変動により巨大台風や竜巻、洪水、旱魃、大規模な山火事といった市民生活を根こそぎ破壊する怪獣さながらの災害が頻発するようになり、こうした災害に罹災したらどう生活を立て直していくべきなのかという問題が人々の意識にのぼりやすくなってきたことも影響しているのではないか、というのは考えすぎでしょうか。工事途中ででてきた遺跡のようなものが、実は逆立ちの状態で埋まっていた怪獣の足の裏だったというのも面白いですね。それにしても、巨大な穴を掘ってあんな怪獣を薬を飲ませて落として埋めたという昔の村人、とんでもないですね。1200年前といえば平安時代でしょうに…。

 

 それはともかく、やはり目覚めてしまう怪獣リオド。側頭部から伸びる管から発火性の泥を吐きながら暴れ回り、さらに強力な吸引力をもつ長い鼻で周囲のものを吸い込み始め、危うく少年も吸い込まれかけたところでアークが登場して救出。角から電撃まで放射するという意外な多芸ぶりのうえにパワーもかなりのものでアークを組み敷いて殴打するなどアークに苦戦を強いましたが、SKIPによって再現された伝説の丸薬を飲まされて弱体化。アークが八つ裂き光輪を使って掘った穴に落とされましたがしぶとく暴れ続け、最後は至近距離でアークファイナライズを撃ち込まれ爆散を遂げました。まぁまた封印してもいつまた怪獣が目覚めるかわからない場所にマンションなんか建てられないのでこれでよかったんでしょうけど、怪獣災害で家を失った人たちのためのマンションを建てようとしたらそこにも怪獣がいたって、逃げ場がないですねこの世界の人たち…。

爆上戦隊ブンブンジャー バクアゲ19

 空腹で街をふらついていたところを調さんに保護され届け屋本部でカレーをごちそうになる先斗とビュンディー。折しも七夕の日であり届け屋本部でも未来が七夕飾りの準備に余念がなかったが、話の中で出た「天の川」という言葉にブンブンが顔を曇らせる。ブンブンにはかつてアマノガワサーキットでのレースでビュンディー相手に苦杯をなめた苦い過去があったのだった…。

 

 普段のんきにカレーを作ってばっかりいるブンブンですが、ビュンディーが現れてからというもの、何かあるたびに苦い過去を思い出すという意外にネガティブな一面が表れるようになってきましたね。それに対してビュンディーの方は気性までレーサーらしく過ぎ去った過去は一切気にしないという、真逆のさっぱりした態度。難儀ですねえ、この元ライバルコンビ。

 

 一方サンシーターは給料日でウキウキのOLの後をつけて、給料を下ろそうとしたところでATMをイグニッションしてATMグルマーが誕生。労働者の数少ない楽しみである給料日を邪魔するとは、なんたる悪逆非道…。街に繰り出したATMグルマーは大量のお札をバラまき、そのお札が顔に張り付いた人間は謎の重さに押しつぶされて身動きが取れなくなってしまう。そこにブンブンジャーが駆けつけ、射士郎はその攻撃の正体を「個人資産を実際の重さに変換する」ものであると看破。新札が発行開始されたタイミングでこんな奴をぶち込んでくるって、相変わらず戦隊はトレンドに敏感ですね…。さて、この攻撃で真っ先に危ないのは言うまでもなく超がつく大金持ちの大也。もしこの攻撃を喰らったら、つぶされて苦しむどころか即死すら危ぶまれます。ということで、大也は強制的に撤退させられ、残りのメンバーで対応することに。金持ちって理由でヒーローが撤退に追い込まれることなんてあるんですか…。ATMグルマーに対して、最近高価なトレーニングマシンを買って金がない錠を盾にして攻撃から身を防ぐというあんまりな戦い方をしながらも、どうにか勝利するブンブンジャー。そんなことより仲間の懐具合を逐一把握してるシャーシロが怖い…。

 

 当然戦いはそれでは終わらず続けて巨大戦に突入。空を飛べるビュンビュンマッハーロボが攻撃を仕掛けるものの、お札攻撃を喰らって文無しのはずなのに重さで落下してしまう。原因はビュンディーがこっそりへそくりを貯めていたせい…。およそヒーローらしくない理由でピンチの連続でしたが、ビュンディーからの激励と共にウイングを託されたブンブンがウイングブンブンジャーロボに合体。ATMグルマーの直上に飛び上がったところで大也が合流しわざとお札攻撃を喰らい、落下スピードに大也の個人資産の重みを加えた「天空・全財産斬り」でATMグルマーを真っ二つにして勝利を収めたのでした。一応テーマとしてはブンブンの過去の克服だったんでしょうけど、個人資産を巡るなんやかやの連続で完全にそっちに頭が持っていかれてしまいましたね。というか、ヒーロー番組で個人資産なんて言葉出てこないだろ普通…。