BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

中村優一さん芸能界を引退:「いつまでも、侑斗をよろしく!!」

http://www.watanabepro.co.jp/mypage/artist/nakamurayuichi.html

 「仮面ライダー響鬼」の桐矢京介、そして「仮面ライダー電王」の桜井侑斗を演じた中村優一さんが、芸能界から引退することを発表しました。

 中村さんという俳優の存在を初めて知ったのは、私も「仮面ライダー響鬼」が初めてでした。「響鬼」の放送半ばにしてのプロデューサーの変更とそれに伴う大幅な作品カラーの変更が各方面に招いた騒動については、平成ライダーファンならば誰もが記憶するところであり、桐矢京介という新たな登場人物はそれを象徴するような存在でした。プロデューサー交代以前の響鬼をこよなく愛していた私にとっては、桐矢が嫌いでなりませんでした。もちろん、演じた中村さんをはじめ後期の響鬼の制作に携わった人たちは自分たちの仕事を果たしただけであって何の罪もありませんし、これ自体は仕方のないことだったと思っています。

 それから2年後。中村さんは「仮面ライダー電王」のもう一人の仮面ライダーゼロノスこと桜井侑斗として、再び私たちの前に姿を現しました。頭ではわかっていてもどうしても桐矢の悪印象が拭いきれず、最初の印象は芳しくありませんでしたが、やがて私は、侑斗が大好きになりました。数ある平成ライダーの中でも随一の陽性な作風を見せる電王にあって、良太郎とモモタロスたちと同じく主に相棒・デネブとのかけあいが笑いを誘いつつも、変身するたびに自分を知る人間たちの記憶が消えていく哀しい宿命を背負いつつも戦う侑斗を、中村さんは見事に演じてくれました。最終回でデネブが作ったしいたけご飯を泣きながらかき込む場面では、私も思わず泣きそうになってしまいました。数多くの仮面ライダーたちが登場した平成ライダーの中にあっても、仮面ライダーゼロノス・桜井侑斗は今なお私の中で特別なライダーです。

 結局、超・電王トリロジー EPISODE REDが、中村さんが演じる侑斗を見られる最後の作品となってしまいました。電王はいくつも映画が作られたのでもういいだろと思っていましたが、こうなってしまうともう一度侑斗とデネブのコンビが見たくなってしまいます。

 中村さん、今までありがとうございました。そして、これからの新しい人生でのご活躍をお祈りしています。