BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー 感想

 ゴーバスターズVSゴーカイジャー、例のごとく公開初日に観てまいりました。ネタバレを含みますので、まだ観ていない方はご注意を。

・突如地球に飛来し、攻撃を開始した黒いゴーカイガレオン。駆け付けたゴーバスターズの前に現れたのは、アクドス・ギルの甥であるザンギャックの新司令官バッカス・ギルとその部下・ワレドナイヤー、そして、より海賊っぽいワルな衣装に身を包んだゴーカイジャー。戸惑うゴーバスターズに、ゴーカイジャーは容赦なく攻撃を開始する。とはいえ、工事用シートの陰に隠れたり、やっぱりハカセハカセなのであった。

・戦闘の途中でゴーカイシルバーが登場、ゴーカイジャーにレンジャーキーを渡す。地球に去る時に返したレンジャーキーを一時的に借りて回ってきたんでしょうけど、大変だったろうなぁ・・・。フラッシュ星に帰ったフラッシュマンとか、4人が30世紀にいるタイムレンジャーなんかは特に。ゴーグルファイブはリボンで敵を拘束するためだけにいつも使われているような気がする。

バッカス・ギルの目的は、すべて揃えた者に宇宙で最も強大な力を与えるという幻のレンジャーキーを集めて、ザンギャックを再興すること。黒いゴーカイガレオンの操縦室にはアクドスとワルズ親子の遺影が。ファンファン大佐かお前は。

・幻のレンジャーキー、最後の一つは地球にあった。バッカスと手を組んだエンターがそれを手にしたとき、その強大な力で時空に穴が開き、ゴーカイジャーとヨーコ、ゴリサキ、Jは過去の世界に飛ばされてしまう。ナビィの話からゴーカイジャーの行動には裏があると読んだヒロム達は、ヨーコたちの救出のため、豪獣ドリルに使われているタイムレンジャーの時空転移技術を利用してバスターマシンで過去へ飛ぶことに。非常時とはいえ技術盗用されてるぞ、大丈夫か時空管理局。

・ヨーコ、J、それに鎧は江戸時代に。ヨーコたちはスーパー戦隊としては後輩なので敬語で話す必要はないんじゃないかと思ったり、ヨーコにため口をきかれてショックを受けたりする鎧。今まで一番最後の戦隊の一番最後のメンバーだったので気持ちはわかりますけど、器が小さいぞ・・・。ヒロム達に連絡を取る手段がないと悩むヨーコに、ならば手紙を書けばいいと相変わらずとんちんかんなことを言うJだが、それをヒントに鎧がひらめいた。一方現代では、シンケンジャーの薫姫が特命部を訪れていた。今日この日に明けよと志波家に言い伝えられてきた巻物を開くと、それはヨーコの手紙だった。江戸時代には既にシンケンジャーカクレンジャーも活動していましたからね。やはりスーパー戦隊恐るべし。しかし薫姫、他の戦隊と絡むのはこれが3度目ですね。この人もすごい人だ・・・。

・江戸時代にはなぜかジェラシットもいた。行動隊長として登場→たこ焼き屋に拾われその母親と駆け落ち→なぜか魔空刑務所に収監→なぜか江戸時代に。どんどんわけがわからなくなっていきますね、こいつの経歴。ちなみにエンディングでは江戸時代に残りたこ焼き屋の屋台を開いてました。

・他のさまざまな時代に散らばったゴーカイジャーの真意もわかり、共闘することになった2大戦隊。しかし、江戸時代に飛ばされた一つを除き、幻のレンジャーキーはバッカスの手に。バッカスたちは自由に時間移動できるようですが、そのあたりの原理は特に説明がありませんでした。ヨーコを救出に江戸時代に向かったウサダだが、そこをメガゾードεに乗ったエンターが急襲。ヨーコたちのピンチに、ヒロムとマーベラスがエースとライオーに乗って江戸時代へ。バグラーに襲われるゴリサキをシンケンレッドにゴーカイチェンジして一掃するマーベラス。江戸の町にシンケンレッドはよく似合いますね。どうにかエンターの猛攻をしのぎ現代へと戻る一同だったが、転送の直前に受けた攻撃のダメージで、ニックたちのワクチンプログラムが破損。彼らが持っていた自我が失われてしまい、しかも修復不可能・・・。

・幻のレンジャーキーをすべて手に入れたエンターとバッカスは、地球全体を亜空間に包みこもうとその力を発動する。それを阻止せんと立ち向かうゴーバスターズとゴーカイジャー。破壊された赤いゴーカイガレオンも、過去から転送してもらうことで復活・・・って、それってタイムパラドックス

・黒いゴーカイガレオンに乗り込み、ワレドナイヤーを叩き落とすヒロムとマーベラス。幻のレンジャーキーを取り戻すが、亜空間の拡大は止まらない。2人に襲いかかるワレドナイヤー。そこに雷とともに現れた戦士。そう、恒例の新戦隊お披露目タイム!!・・・なのですがマーベラスのツッコミ通り、なぜか現れたのはキョウリュウレッドだけ。どうやらキョウリュウジャーは「集まりが悪い」スーパー戦隊らしい。大丈夫かそんなんで・・・。とにかくここは任せろと2人を先に行かせ、ワレドナイヤーと交戦を開始するキョウリュウレッド。残りの4人も合流し、あとはいつも通り一方的に試合終了。必殺技を使うたびに千葉ボイスが叫ぶ叫ぶ。キョウリュウレッドは勢いでガンガン行く熱血タイプの、典型的な平成レッドですね。5人とも最初から声の演技がうまいので、これは放送開始が楽しみです。そういえば、現役戦隊の前に新戦隊が堂々と姿を現すって、今回が初めてですね。

・2大戦隊に対し、エンターも助っ人招集宣言。アバターとして現れたのはエスケイプ、そしてなんとバスコとダマラス。ゴーカイジャーを見ていた人なら誰もがヤバいと思うはずですが・・・なんと、サンバルカンに変身したマーベラス、ジョー、ルカの連続攻撃であえなくバスコ撃破。あまりの弱さにあっけにとられました。同様にダマラスも、ゴウライジャーとシュリケンジャーに変身したハカセ、アイム、鎧の攻撃で簡単に撃破。エスケイプはそれに比べれば善戦しましたが、いつもの強さはなくこちらも撃破。いくら劇場版のスーパー戦隊は強さが通常の何割増しかになっているとは言っても、この弱さはどうしたことか。エンターめ、さてはバスコとダマラスのデータはちゃんととってなかったんだな・・・。

・名前は頭悪そうでも、腕っぷしは確かなバッカスゴーカイジャーに撃破されながらも、最後の力を振り絞り、酒瓶をあおって巨大化。あの酒にはバルバエキスでも入っていたに違いない。

・エンターも新型メガゾードを召喚。これまでのようにメガゾードでの戦いを楽しむような様子はなく、声でこの戦いにかける本気度がうかがえます。バスターマシンで急行するゴーバスターズだが、自我を失ったニックたちは、カーナビのような言葉しかしゃべらない。切ない・・・。

・新型メガゾードの猛攻の前にゴーバスターオーは倒れ、システムダウンしてしまう。司令官の脱出命令を拒み、必死にニックたちに呼びかけ続けるヒロム達。そして、そのとき不思議なことが起こった!! いや、そうとしか言いようがないのですが、復活を信じてニックたちに呼びかける熱演ぶりが半端ないのでご都合主義感は全くありませんでした。

・ニックたちの復活に共鳴するかのように、幻のレンジャーキーが輝く。バディロイド型のレンジャーキー(ゴーバスターズの大いなる力=バディロイドとの絆)となったそれをゴーカイジャーが使うと、それはかつての戦隊ロボを模した巨大なレンジャーキーへと姿を変え、それを使ったロボを別の姿へと変化させた。

>ゴーバスターエース→ゲキトージャ
>ゴーバスターライオー→ガオキング
>バスターヘラクレス→マジキング
>ゴーカイオー→ダイボウケン
豪獣神大獣神

 今回の映画の最大瞬間風速はここですね。特に大獣神の登場は、鎧でなくてもスーパー戦隊ファンなら興奮すること間違いなしです。当時のスーツなんでしょうか、それとも新造? ゴーバスターエースはゲキトージャからさらにフラッシュキング、龍星王(気伝武人)へ、ゴーバスターライオーーはガオキングからガオケンタウロスへとさらに変身。マサトの「なんか落ち着くなぁ・・・」というセリフには心の中で爆笑。そりゃあんたが昔乗ってたからだ。マーベラスも戦闘開始時に「アタック!」と言って指パッチンしていて思わずニヤリ。マジキングが使ったファントムイリュージョンは当時から好きな必殺技だったので、使ってくれたのはうれしかったですね。

スーパー戦隊ロボ軍団の前に敵う敵などいようはずもなく、新型メガゾードも巨大バッカスも撃破。黒いゴーカイガレオンをゴーバスターエースが叩き斬ったことにより亜空間も消滅し、地球に平和が戻った。地球の平和は俺たちが守ると誓うヒロム達に後を託し、再びお宝探しに宇宙に旅立つゴーカイジャー。自分たちの後に続いて地球を守るスーパー戦隊に後を託すというのは全てのスーパー戦隊が辿ってきた道であり、これでゴーカイジャーの物語にも一つの区切りがついたのだなと、しみじみ思いました。

 個人的にスーパー戦隊VSシリーズで評価の重要なポイントとしているのは、2大戦隊のメンバー同士がどれだけ絡んでいるかという点。それに関して言えば、今回の作品ではヒロムとマーベラスのレッドコンビの絡みが中心で他のメンバー同士の絡みは薄め(シンケンジャーVSゴーオンジャーがちょうど同じような感じ)。特にヨーコとルカ、アイムの女子メンバー同士の絡みが全くないというのは大きなマイナスです。まぁ、TV本編と同じくヒロム達とバディロイドたちの絆が物語とキーなので、ゴーカイジャーとの絡みに尺を割けないのはわかるのですが。とはいえ、ゴーバスターズキャストの熱演(もちろんゴーカイジャーキャストも)とスーパー戦隊ロボ軍団と、いいものを拝ませてもらいましたので、マイナス点を帳消しにして大いに楽しめる作品であることは間違いありません。両戦隊を愛する人ならば、必ず見に行くべきでしょう。