- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2012/04/13
- メディア: Blu-ray
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誰でも知っているぐらい有名だけれども実際に見たことのない映画というのは、世の中の人にはけっこう多いんじゃないかと思います。昨日たまたま放送されていてたまたま見た「サイコ」も、私にとってはそんな映画でした。
私のこの映画に対する予備知識と言ったら、シャワーを浴びている女性がナイフでめった刺しにされるという例のシーンだけで、どんなストーリーなのかさえ知らないという体たらくでしたが、その予備知識のなさが幸いして新鮮な気持ちで楽しむことができました。筋立て自体は非常にシンプルで、オチも現在から見ればそれほど驚くようなものではありませんが、さすがに名作と言われるだけあって、今の目で見ても十分怖いですね。前述したシーンばかりが有名ですが、私としてはむしろ他のシーンの方が怖かったです。シャワーの殺人シーンの前、鳥のはく製作りが趣味であることを語るモーテルの青年の表情が既に尋常ではありませんし、青年の家に忍び込んだ探偵が殺されるシーンも思い切ったカメラワークで息をのみました。クライマックスで、殺された女性の妹が青年の家に忍び込むシーンは、もはやサスペンスというよりはドラキュラ城にでも忍び込むような怖さがありますね。
あとで調べてみたら、原作小説を手掛けたロバート・ブロックはラヴクラフトの友人で、クトゥルフ神話の有名な魔導書「妖蛆の秘密」や「屍食教典儀」の生みの親であるということを知ってもう一度驚きました。