BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

劇場版獣電戦隊キョウリュウジャー&仮面ライダーウィザード 感想

 今日から公開となったキョウリュウジャーとウィザードの劇場版。今回も初日から見てまいりました。例によってネタバレを含みますので、これからご覧になる予定の方はご注意ください。

◆獣電戦隊キョウリュウジャー GABURINCHO OF MUSIC
 スーパー戦隊の劇場版というのは普段TVでやっていることをそのまま豪華にした、しょうゆラーメンに対するチャーシューメンみたいなものだと思っているのですが、今回もそういう方向での作品作りには特に変わりはありませんでした。ただ、展開が早い早い。まさに、荒れるぜ止めてみなと言わんばかり。それと、今回はミュージカルだと銘打っていましたが、「ミュージカルってこういうものだっけ?」と首をかしげたくなりました。まぁ、万が一ダイゴ達が宝塚みたいに大仰な喋り方をする映画だったらどうしようという不安もありましたので、そこはホッとしましたが。

 キョウリュウジャーの今回の敵は、カオスの旦那が最初に作り出した戦騎である獰猛の戦騎Dが変身したデスリュウジャー。声を演じるのは宮野真守氏。これでウルトラマンガンダム、そして戦隊を制覇したわけですから、ぜひとも今後なんらかのかたちで仮面ライダーに出演して日本のヒーロー作品を総なめにしてほしいですね。このデスリュウジャーが最初の獣電竜であるトバスピーノを奪って大暴れをするのをキョウリュウジャーが止めるのが今回の映画。よって、デーボス軍の愉快な仲間たちはほとんど出番がありません。その出番の大半がキャンデリラwithアイガロンラッキューロの新曲MVというのが、デーボス軍らしいといえばらしいのですが。

 しかし、スピノダイオーはプテライデンオーと違って正義のロボに戻っても見た目がほとんど変わりませんでしたね。アバレンジャーのバクレンオーと違って、今後のTV本編でも味方として登場が期待できそうです。そして最近一気に2つも恋愛フラグが立ったダイゴに、また一つフラグが。去年の2号ライダーもそうでしたが、ヒーローにもモテ期が訪れる時代なんでしょうか。しかし我らのキングは、どこかのライトノベルの主人公みたいにそのフラグを台無しにしてしまうのですが。

 歌と踊りを前面に出した以上、当然エンディングのダンスもあり。しかし、キョウリュウジャーの面々に混じって踊る、明らかにフライング気味の連中が・・・。正直、ここが一番笑いました。


仮面ライダーウィザード in Magic Land
 常に実験的な作品作りに取り組む平成ライダーは、劇場版においても最終回をTVよりも先にやってみたり時代劇をやってみたりといった実験的な作品作りが特徴であり、そのためかスーパー戦隊よりも劇場版の出来には当たり外れが大きい傾向があります。そういった過去の前例と比べると、今回の劇場版はパラレルワールドを舞台にしてこそいますが基本的には本編と地続きであり、平成ライダーの劇場版としては比較的手堅いつくりと言えました。

 謎の金色の魔法使いに連れ去られたコヨミを追う晴人。金色の魔法使いが儀式によって発生させた虹色の竜巻に巻き込まれた晴人とコヨミが目を覚ますと、世界は科学よりも魔法が発展した「魔法の国」に変わっていた・・・。

 魔法の国では瞬平も凜子も、ドーナツ屋の店長や店員さんもみんなが仮面ライダーメイジに変身可能。店長メイジが内股で走る姿は笑わずにはいられません。ファントムが現れれば、そこらへんにいる人たちがメイジに変身してフルボッコに。ファントムにとってはまさに地獄のような世界。こんな世界だったら、とっくの昔にファントムなんて滅ぼされていそうなものですが、こんな世界だからこそ、金色の魔法使い=仮面ライダーソーサラーがクライマックスで明かす真の目的も説得力があります。

 誰もが魔法使いならばファントムにおびえる心配もないし、この世界では仁藤もファントムを喰わなくても生きていける。元に戻さなくてもいいんじゃないか・・・と一度は考える晴人ですが、当然そんなにうまい話ばかりであるはずもなく、裏には恐るべき陰謀が隠されていました。特にその陰謀の中核である「タナトスの器」は、出てくる作品を牙狼と間違えたんじゃないかと思うぐらいの代物。今回の舞台である魔法の国が単なるパラレルワールドではなく、現実の世界がソーサラーによって作り変えられたものであり、最終的には元の世界に戻ることにホッとしました。そうでなければ、今回のゲストキャラが可哀そうすぎます。

 しかし今回最も驚いたのは、恒例の新ライダーお披露目タイムがなかったこと。いつもだったら、ラスボスのもとに急ぐ主人公を助けるため、ふらりと現れた新ライダーが足止め役の敵の相手を引き受けるというのが恒例なのですが・・・。ガイムの発表はつい先日でしたし、いろいろと間に合わなかったんでしょうか。いかにも奇抜そうなデザインなので、Wの劇場版で初めてオーズの変身を見たときぐらいの衝撃を期待していたのですが・・・。残念ながら、放送開始を待つしかなさそうですね。