BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

ドリフターズ 第4巻

 前巻から約1年半ぶりの新刊発売。うむ、順調なペース。

 サン・ジェルミ伯の誘いに乗ってオルテ帝国首都でのクーデターを決行する豊久たちと、同じく帝都簒奪を目論む土方率いる黒王軍の激突が今回のメイン。250年の隔たりはあれど、薩摩島津の武士VS新撰組の生き残りという宿命の対決。同じ武士でも戦い方や戦いについての2人の考え方の違いが面白い。結局、豊久の背後に控える信長とは踏んできた場数に差があり、黒王の命令もあり撤退を余儀なくされる土方。それにしても、彼が新撰組のスタンド(違)を操るのは、やっぱりこっちの世界では生き延びててドッギャァァァァンでゴゴゴゴゴという感じの漫画を描いてるあの人に絡めたネタなのか。そして、ついに姿を現し黒王軍への参加を表明した信長不倶戴天の敵であるアイツ。でもこの人、どっちかというと内政向きなんですよね。人類皆殺し軍団である黒王軍の中で役に立てるんだろうか。

 一方、これまではわずかな描写しかなかったグ=ビンネン商業ギルド連合と、その客将として指揮を執る多聞丸こと大日本帝国海軍連合艦隊山口多聞少将(死んでいないので特進前の階級)も、その動向の詳細が明らかに。グリフォンを艦載機として運用する木造帆船「空母」ならぬ「鷹母」として「飛鷹」「隼鷹」が登場しましたが、飛行甲板を確保するために3本のマストを船体右舷に寄せた構造は、バランスが取れるのか見てて心配になります。多聞丸の指揮によってオルテから海上通商の権益を奪った連合は、頃合いを見てオルテと講和を結ぶことを計画。一方オルテでは信長がサン・ジェルミ伯に連合との和平を進めるようもちかけていたので、いずれ両者は顔を合わせるでしょうね。「帝国海軍は俺達だけになっちまった」と残骸となっても愛着ある最後の乗艦・飛龍に語りかける多聞丸ですが、同じ頃北方でコボルトたちを率いたとある帝国海軍パイロットが南に進撃をやらかしていることなど、もちろん知る由もないのでした。

 そしておまちかねのあとがきゆかいまんがですが、今までに比べると今回の黒王様のテンションはちょっと抑え目か。それでもジャンヌに対しては、いつもの貧乳ネタではなくユニオンジャックの入ったTシャツを着せるという別方向からのいやがらせをかましていますが。あとアナ雪には座布団一枚。