BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

宇宙戦隊キュウレンジャー THE MOVIE ゲース・インダベーの逆襲/劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング

 恒例、スーパー戦隊とライダーの劇場版。今回もさっそく見てまいりましたので、感想を。例によってネタバレを含むため、未見の方はご注意を。

宇宙戦隊キュウレンジャー THE MOVIE ゲース・インダベーの逆襲
 冒頭からいきなり巨大彗星兵器ゲース・スターが地球へと迫りつつあり、単身ゲース・スターへと乗りこんだショウ司令が敵の幹部、ゲース・インダベーに撃たれ宇宙へ放り出されてしまうという衝撃の展開。ライダーと比べて尺が短いのはわかりますけど、思い切った端折り方です。ゲース・インダベーの目的はゲース・スターを地球に衝突させて消滅させ、宇宙の破壊神・ケルベロスを手に入れること・・・なのですが、実はケルベロスを復活させるために必要な三つのキュータマは別々の惑星に隠されており、よくよく考えると地球を壊すこととケルベロスの復活とは何の関係もないのですが。まぁこの映画は細かいところを考えるよりも、ラッキーと敵とのバイクチェイスやチャンプの金網デスマッチなど、普段のTVでは見られないバトルを頭を空っぽにして楽しむのが正解でしょう。
 そして復活するケルベロス。その力を手に入れるためにラッキーが使うのがヘラクレスキュータマなのですが、このあたりはちゃんとヘラクレス12の偉業の一つであるケルベロスの捕獲になぞらえていますね(ついでに言うならしし座はヘラクレスが退治したネメアの獅子が星座になったものなので、ラッキー自身もヘラクレスには縁があります)。ケルベロスボイジャーが他のボイジャーと合体したケルベリオスは、まさかの方法でさらに巨大化。あれは間違いなく、スーパー戦隊史上最大のロボでしょうね。

◆劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング
 ある日突然聖都大学付属病院を襲撃してきた謎の忍者集団とそれを率いる仮面ライダー風魔。彼らの攻撃を受けた人間はおろか、ポッピーまでもが謎のバグスターウィルスに感染し、意識を失ってしまう。風魔と彼の黒幕であるマキナビジョン社長、ジョニー・マキシマの狙いは、永夢が小児科研修中に担当していた難病の少女だった・・・。
 エグゼイドの単独劇場版作品としてはおそらく最後の作品。正宗が最初から最後まで一切登場しないのでTV本編とつながるのかパラレルとなるのかは現段階ではわかりませんが、全体的な感想としては物語の質は非常に高く、歴代の平成ライダー劇場版作品の中でもかなりの傑作に入るものだと思いました。特に、エグゼイドは味方側のライダーの数が多い作品であるにも関わらず、全てのライダーにちゃんと見せ場が用意されているのがすごい。中でも檀黎斗改め新檀黎斗さらに改め檀黎斗神。本編でも八面六臂の活躍を見せる彼ですが、今回の彼も敵が作りだした仮想現実空間の中で戦うシステムとガシャットを短時間で開発、さらに仮想空間に突入した永夢を敵の攻撃から反らすためにパラドとコンビを組んで風魔と戦うなど、さらなる活躍ぶりに目を見張ります。そうして全てのライダーに見せ場を与えたうえで、最後の最後はきっちりと永夢が締める。人を救うということに関しての永夢の意志の強さはシリーズが始まったときから変わらぬものでありましたが、そんな意志を貫き通して研修医から医師るまでの、一年間続いてきたエグゼイドの物語を締めくくる一つの結末を描くものとしてふさわしいものでした。
 そして忘れちゃならない、毎年恒例の新ライダーのお披露目。今までは敵の足止めを食らったライダーの前に突如現れ、その場を代わりに引き受けてその力を披露するというのがセオリーでしたが、今回はそのセオリーを打ち破った非常に意外な登場の仕方。これはぜひ劇場でお確かめください。