BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン6話 感想

 タロウ以外のメンバーに与えられる謎のポイント、ヒトツ鬼を消そうとする謎の敵・脳人の目的と、わからないことだらけのまま進んできたこの物語にも、ようやくある程度の設定が明らかになってきた回。まぁ井上敏樹という人は、こういう設定よりも登場人物がどんな人間かを描くのに力を入れる人なので、ここまでの話で主役5人の人となりはある程度見せることはできたので、ようやく設定に触れてきた、というところですかね。むしろここまでちゃんと設定を説明してくれることの方が、井上脚本としては珍しいような。

 

 まずは謎のポイント。正確にはキビポイントというようですが、今のところわかっているのは、タロウ以外のメンバーに与えられていることと、それを使うことによってどんな願いもかなえることができ、なんなら脱退することだって可能、ということ。脱退も可能って、いよいよ「そんなのほんとにスーパー戦隊か?」と首をかしげたくなりますね。ただ、何をしたらこのポイントが加算されるのか、その条件は今のところ不明。で、それを管理している「管理人」がこっちの介人らしい、と。どうもこの手の「どんな願いもかなえられる」というのは、ニチアサで出てきた場合は詐欺の匂いがプンプンしますね。まして、この作品の脚本書いてるのは小林靖子氏とともに龍騎を書いてた人なんですから…。今回のつよしの得意の絶頂からどん底へという顛末なんて、笑うせぇるすまんでも見てるんじゃないかと思うぐらいでした。奇しくもつい数日前に藤子A先生の訃報を聞いたばかりですし。

 

 そして、脳人。人間より高次の世界の住人である彼らの世界は、人間の放つ波動により支えられているが、その波動は欲望によって乱される。ゆえにソノイ、ソノニ、ソノザは、欲望を求めヒトツ鬼となった人間を消し去ろうとしている、と。敵の目的が単なる侵略や殺戮ではなく、敵の側にも自分たちを守るための論理があるというのも、これまた井上脚本らしいですね。ヒトツ鬼を消し去るのみならず、人間に息を吹きかけることによって額に小さなドアが現れ、強い欲望を持っている人間はそのドアが開いてヒトツ鬼の影が姿を現す、という描写もありましたが、あれは単に将来的にヒトツ鬼になる人間を見分けることができるというだけなのか、それとも、あれによってヒトツ鬼となるトリガーを引いているのか。しかしまぁ、欲望なんてものは人間なら誰だって持ってるんですから、事実上彼らの仕事にはきりがないんですが、そこまでわかってやってるんでしょうかね。それにしても、「恋愛」がわからないソノニ、「笑い」がわからないソノザと、「幸福」がわからないタロウ…なんかタロウも脳人と関わりがありそうですね。