BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン29話 感想

 お昼にカツサンドを食べようとしたタロウだったが、そのカツサンドには何かが挟まっていた。挟まっていたのは、なんと脳人の元老院からのソノイの葬儀への招待状。罠だと言って止めようとするお供たちに反して、タロウはその誘いに乗る。一方、獣人からアノーニを守るために現れたムラサメの前にはジロウが現れるが…。

 

 なんだかいつも以上にいろんなことが一度に起こり、しかもここ最近全く出てこなかった物語を動かす要素が一気にドバッと噴出したため、頭がイカレそうになった回でした。ほんと、よくこれだけのものを30分に詰め込むことができましたね。

 

 まず、ソノイの葬儀。案内状をカツサンドに挟んで送ってくる元老院の頭が大丈夫か疑わしくなりますが、この番組の脚本家はかつてファイズブラスターを普通の宅配便で巧のところへ送りつけた前科があるので仕方がありません。なぜか綿密に描かれる葬儀前の儀式(入浴とかマッサージとか)の数々がシュールでしたが、狂気の笑顔を浮かべながらマッサージ師に逆に激痛マッサージを仕掛けるタロウが怖い。申し訳ないですけど、こういうところを見ちゃうとドン家を滅ぼした元老院の判断にも納得してしまいますね。壁に飾られたソノイのクソデカ遺影にもなんか笑ってしまう葬儀でしたが、ソノイの弔い以外にももう一つ、案内状を食べ物に挟んで送りつけてきた非常識を元老院に抗議するという目的があった。いや、もっともだけどあんたがそれを言うか。さらに「食べ物を無駄にするのはよくない。だからこれはお前らが食え」とタロウから投げ渡された食いかけのカツサンドをほんとに食べる長老たち。もうわけわからん…。その後、突如ソノイの棺から現れたソノイの鎧に襲われ、剣に貫かれたタロウはエネルギーを奪われてしまうが…。

 

 一方、再びムラサメと対峙した闇ジロウでしたが、「まるでお前は死にたがっているようだ。そんな相手とは戦えない」と戦いを戦いをやめ、互いに生き方に葛藤する者同士、奇妙な心の交流を始める。この中で、ジロウの二つの人格は、実は闇ジロウの方が本来のものだったという驚愕の事実が判明。友達とのかかわりの中で、飢えた獣のような本来の人格を抑えるためにもう一つの人格が生まれた…ということなんでしょうけど、問題なのはそっちの人格も「皆さんを処刑しようかなと思って」とか気軽に言い出すような奴で、「光のジロウ」とか「正義のジロウ」とか呼ぶのはものすごく抵抗があるということですね。ムラサメと語るときはむしろ闇ジロウの方が理性的ですらありますし。その後、ジロウに襲い掛かってきた獣人はムラサメの忍者剣に貫かれ消滅。それを目撃したソノニとソノザは、ムラサメならば不可殺の存在である獣人を殺すことができることを知るが…。

 

 また別の場所、獣人にまたも追われていた翼は、突如飛来したムラサメの忍者剣に意識を乗っ取られ暴走。さらにソノニ、真一と、手にしたものを次々に暴走させる忍者剣。妖刀に取りつかれても「ここで一句」ができる真一、腕前はともかく俳句への情熱は本物ですね。そこへ戻ってきたタロウはエネルギーを奪われ変身不能になっていたが、忍者剣を手にするとなぜか一瞬でそれが復活。ドンモモタロウに変身すると、戦いを促す忍者剣の言葉に一切耳を貸さずいつも通りの強さでヒトツ鬼を瞬殺。いや、主役が変身不能って、最低でもそれで一週は引っ張れるネタでしょう。なんであっという間に解決してんのよ。その後、忍者剣はソノザが「初恋ヒーロー」のページを使って封印。いやもう、いろいろありすぎてツッコむ気力も湧かない…。