BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン15話 感想

 ポイントを使ってタロウを復活させたはるかたちだったが、戦闘後に再びタロウは消えてしまう。もう一度復活させようとするはるか達だったが、既にポイントをマイナスになるまで使ってしまっており、はるかは歩けなくなり、真一は俳句が詠めなくなってしまう。一方、みほがケガを負ったことに憤るつよしは激走鬼に変身し、手当たり次第に車やバイクを消し始めてしまう…。

 

 はるかと真一の身に起こる不幸、つよしのヒトツ鬼化、ジロウの変身、そしてタロウの完全復活と、よくもまぁこれだけいろんなことを破綻なく有機的につなぎ合わせて30分に収めたものだと、改めて井上氏の手腕に感服しました。脳人によって消された被害者は死んだわけではなく、異空間に閉じ込められているだけだという新事実も明らかになりましたし。しかしジロウ…一見純朴なヒーロー願望の青年に見えて、いきなりはるか達を処刑するとか笑顔で言い出すあたり、やっぱりこいつもとんでもない奴でした。タロウのことは確かに尊敬しているようですけど、一方で前回口にしていたように自分の時代が来ることを望んでいる節もあり、「タロウに代わる者」という意識がいろんな意味で強く出ている様子ですね。そもそもドンブラザーズというチーム自体、替えの利くメンバーで構成されているというシステムめいたものなんですが、「タロウの代わり」という役割を負ってジロウが現れたにも関わらず、タロウが無事復活してしまったというこの状況、そのシステムから見ればエラーやバグみたいなもののように見えるのですが、どうなんでしょうか。それにしても、タロウ復活のためなら歩けなくなろうがさらなる代償を払うことになろうが躊躇わないはるか、妻の存在でしか自己肯定できないためにひとたび妻に何かあると我を忘れ、ついにはヒトツ鬼にまでなってしまったつよし、タロウにこだわるあまり利敵行為まで働いてタロウ復活に手を貸したソノイと、どいつもこいつも感情のベクトルが一方向なうえにクソデカい登場人物ばかりですね…。