BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ ドン21話 感想

 いつものようにサルブラザーに変身して人助けをした真一。それを目撃した強面の男たちに拉致されてしまうが、突如車で乱入してきた白井という男に助けられる。白井は真一に自らが先代のサルブラザーだと名乗るが…。

 

 マスター曰く、本当にドンブラザーズのメンバーだと認められるには、ただ選ばれただけではなく、そのうえで一ヶ月の間ヒトツ鬼と戦うことが必要とのこと。私欲に走り力の使い方を間違えた者は自動的に力が消滅してしまうようになっていて、今のドンブラザーズが揃うまでに約5000人もの人間が脱落していった。今のドンブラザーズのメンバーも、それぞれ私欲に走るところはあるけれど本質的には人助けの精神があり自ら戦いに身を投じることができる、というところは繰り返し描写されてきましたし、タロウの言った通り、お供たちは実はすごかったのですね。まぁこの世界の住人、あまりにしょうもない理由でヒトツ鬼になる奴が結構いるので、お供たちのような人間が希少だというのはなんとなくわかります。ドンブラザーズというシステムの一端がまた明らかになりました…けどマスター、いつものようにクールな顔で説明してたけど、その後ろにある写真集。結局本屋では売れなくて在庫を押し付けられたようにしか見えないぞ。

 

 金銭を嫌い、物欲がなく、気ままに俳句を詠みながらその日その日を生きる風流人…かと思いきや、なにかとタロウに一泡吹かせようと機を伺っていたり、前回のように他のお供たちと一緒に天狗になったりと、物欲や金銭欲以外のところでは案外俗な部分が多いところを見せてきた真一でしたけど、今回は久しぶりに浮世離れした面の方に描写が向きましたね。特撮ヒーロー番組について脚本家にまで興味のある人ならご存じだと思いますが、井上敏樹という人は見た目が完全にヤクザにしか見えない人で、そのヤクザみたいな脚本家がとうとう日曜の朝の子供向け番組にヤクザを出してしまった…と思ったら、その正体はラーメン屋でした。で、これまた井上敏樹という人の仕事を知っている人ならご存じだと思いますが、食べ物に関係する話の場合、この人はいつも以上にイカレた話を書くというのが定番になっていますが、今回もその例に違いはありませんでしたね。人に空想を強制するって、どこから生えてきたその能力。あと店にやってきて「空想のラーメン」を注文する客なんて、金にもならない客以前の単なる邪魔者でしかないはずなんですが、どうして店主はあんなに愛想よく対応できるんだか。結局「空想のラーメン」でいい話風にまとめたけど、そんなので誤魔化される我々ではないぞ。

 

 一方そんなカオスな展開と並行するかたちで、前回初恋ヒーローを読んで未知の感情(おそらくオタクが「尊い」と呼ぶもの)に目覚めたソノザは、はるかを拉致して続きを描くことを強要。映画「ミザリー」みたいな展開ですが、ソノザが敏腕編集者みたいなことを言い出してるので、恐怖もへったくれもないですね。こっちはこのまま次回に続くようですが…。