BLACK DODO DOWN

HN:影月。「怪」のつくものを好み、特撮・ゲームを中心に、よしなしごとをそこはかとなく書き付くる。

仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー 感想

 毎年恒例、仮面ライダーMOVIE大戦シリーズ最新作。今回はエグゼイドとゴーストだけでなく、ウィザード、鎧武、ドライブも参戦という布陣に。はてさて、その出来栄えは。

 ゴーストの映画は仮面ライダー1号も含めてどれもこれも脚本が雑な作りでがっかりしてばかりでしたが、今回はそんなここ1年の個人的な不評を吹き飛ばすなかなかのものでした。特に5人のライダーの登場のさせ方がかなり自然で丁寧なものでしたね。永夢とタケルはゴーストの最終回で既に共闘しているので今回もすんなりと共闘に入れましたし、今回の事件が10万人の市民が未知のウィルスに感染するという大規模なものなので、当然警察も動くため進ノ介もすんなりと登場。晴人はもともと風来坊的性格なのでどんな登場をしてもおかしくはありませんでしたが、TV本編の頃とはちょっと違ったイメージでの登場をしてくれました。そして残念ながら一人だけ役者さんの登場ならなかった鎧武こと紘汰ですが・・・もはやスタッフは彼の「神様」というディケイド以上に便利な設定を完全に利用し尽くしており、登場と同時にドライブに変身できない進ノ介の問題まで解決してしまう力技には苦笑するしかありませんでした。この5人のライダーの戦いを見守ってきた人間としては、この5人の並び立つ姿は感慨深かったですね。特に竹内涼真さんは最近の映画・ドラマでの活躍ぶりを考えると出演自体が奇跡的で、永夢やタケルに比べれば圧倒的に少ない出番の中で、変身して戦えないことの歯がゆさや、決戦の前に身重の霧子に電話をかけるシーンなどで、見事に「その後の泊進ノ助」を演じてくれていました。特に変身前のベルトさんとの「久しぶりだがエンジンの調子はどうだね?」「いつも通り、トップギアだ」というやりとりにはしびれました。晴人はTV版での飄々とした性格からさらに一歩進んで、自ら敵に近づいて一杯食わせる意外な食わせ物ぶりを発揮。一方鎧武は「ンニャロー!」とか叫びながら神様になる前の紘汰を彷彿とさせるやんちゃな戦いぶりを披露。そしてそんな先輩方に負けじとばかりに永夢とタケルも、かたや命を救う医師として、かたや一度死んだからこそ命の重さを知る者として、自分勝手に命を作り変えようとする巨悪に立ち向かいました。特に永夢は白衣を土埃でボロボロにしながらも戦う姿が印象的でした。

 バトルシーンに関しては、坂本浩一監督作品なので変身前の生身でのアクションマシマシなのは言うに及ばず。女性キャラの太ももに対する偏執的なこだわりも相変わらず。今回も劇場版限定フォームのオンパレードでしたが、個人的には信長、秀吉、家康の魂が合体したゴーストの新フォーム、テンカトウイツ魂がお気に入りですね。エグゼイドの限定フォームは世界一有名なイタリア人配管工兄弟が元ネタなのは明白ですが、変身シーンがキカイダーを彷彿とさせるのが印象的でしたね。

 とまぁ、全体的には高得点なのですが、一つだけひっかかるのが・・・またまたやってくれましたよ、もはや何度目かわからない、タケルの死ぬ死ぬ詐欺。おそらくはゴーストのラストランであるこの映画にまでぶっこんでくるとは、もはやスタッフも確信犯的にやっているとしか思えません。ここまで来ると呆れを通り越して様式美すら感じますね。